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意外にも、最新のiPad ProにM1チップが搭載された。このことにより、iPadは再び最強のタブレットの地位を確実にした。
これまでiPadが搭載していたAシリーズチップとM1チップのアーキテクチャはほぼ同じだが、性能で見るとM1の完勝だ。アップルは発表会において、M1によって先代のiPadのCPUより性能が50%向上し、GPUが40%向上するとしている。そうだとすれば、最新のiPad Proは間違いなく最強性能のタブレットとなる。しかも、中国国内での販売価格が先代より少し安くなっているのだ。
M1チップのほか、mini-LEDディスプレイとThunderbolt 4ポートを搭載したことも印象的だ。次の時代を切り拓こうとしているiPad Proだが、購入すべきかどうかは、慎重に判断しなければならない。
アップルのエコシステムの基盤になるM1チップ
アップルは他メーカーのチップを使用することに満足せず、昨年から自社開発のM1チップを使い始めた。iPad Proにも搭載されたことで、今後のiPad ProではM1をベースに開発されたアプリを使用できるようになり、パソコンのMacシリーズとより強い連動性を実現できる。しかし、M1チップがあるからといって、iPad Proがタブレットからパソコンになるわけではなく、パソコンの購入を検討するユーザーがiPadで満足するとも思えない。
その理由は、パソコンのmacOSとiPadのOSが全く異なることにある。専門的なツールの多くは、macOSでしか使用できない。たとえば、mac向けの動画編集ソフト「final cut Pro」と似た機能を持つiPadアプリ「lumafusion」があるが、使ってみれば、lumafusionがプロ向けではないことがわかる。iPadでmacのような専門的な作業をすることは、現時点では不可能だ。
つまり、ハード面だけを強くしても、iPad Proがパソコンの代わりになれることはないということだ。大事なのは、macのアプリをiPadでも使用できるようにすることである。それができなければ、iPad Proがどれほどの性能を持っていても、結局タブレットでしかない。
iPad Proのほかの強み
M1チップ以外で注目されるのは12.9インチのiPad Proに搭載されるmini-LEDディスプレイである。mini-LED の基本的なメカニズムは液晶ディスプレイと同じで、多数の光源を発光させて画像を表示させるものだが、その特徴は光源の一つ一つが非常に小さく、数が多いことにある。アップルは1、2.9インチのmini-LEDには1万以上の光源があるとしている。それに対し、従来の液晶ディスプレイ技術を使用する11インチのiPadのディスプレイには72の光源しかない。
光源が多いことで、mini-LEDは有機ELと同等の映像品質を実現でき、しかも消費電力は従来の液晶ディスプレイや有機ELより少ない。M1チップも消費電力が少ないため、アップルでは最新のiPad Proは最大10時間の連続使用が可能だとする。実際のパフォーマンスがどうなのかは不明だが、M1搭載のMacbookのバッテリーの持ち時間はたしかに伸びているため、新しいiPad Proにも期待できるだろう。
M1チップとmini-LEDディスプレイのほか、新しいiPad Proは16Gのメモリ、Thunderbolt 4ポート、5G対応といった高スペックを備えている。しかし、これらの機能でタブレットの新時代を切り拓くことができるかどうかは、今年のWWDC(アップルの開発者大会)を待たなければならない。タブレットとパソコンの壁を打ち破るような技術の発表が行われるかどうかが注目だ。仮にそうなれば、アップルの未来を牽引するのはiPhoneではなく、iPadになるだろう。
原作者:雷科技(Wechat ID:leitech)、定西
(翻訳・小六)
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