EC大手の京東、抖音(TikTok中国版)に公式店舗を出店 年間販売目標は3400億円

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EC大手の京東、抖音(TikTok中国版)に公式店舗を出店 年間販売目標は3400億円

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複数の消息筋によると、EC大手の「京東(JD.com)」が「抖音(Douyin、海外版は「TikTok」)」で、公式のオンライン店舗を出店することが決定した。公式店舗を利用すれば、京東にログインしなくても抖音で京東の商品を購入することができ、物流、アフターサービスも京東が担当する。両社は今年抖音で京東の商品を200億元(約3400億円)分販売することについても合意したという。抖音は小売り大手の「蘇寧(Suning)」、家電小売大手の「国美(GOME Electronics)」とも公式店舗の形で提携したことがあったが、販売金額目標の高い蘇寧でも60〜70億元(約1000億円〜1200億円)で、京東には遠く及ばない。

京東はこれまでも抖音に公式アカウントを開設していたが、配信内容には商品リンクが含まれず、京東のキャンペーン情報などを掲載するのみだった。それに対し、今回の公式店舗は上記の物流やアフターサービスに加え、マーケティング、販売、ライブ配信なども京東が担当するという力の入れようだ。京東に近い消息筋によると、京東は当該店舗を重要プロジェクトと位置づけ、小売事業担当の徐雷CEOが直々に陣頭指揮を取るという。

このことについて抖音と京東に取材を申し込んだが、両社ともコメントを差し控えるとのことだった。

京東はショート動画プラットフォームの「快手(Kuaishou、海外版は「Kwai」)」とも提携したことがある。京東にログインすることなく快手のみで購入でき、物流とアフターサービスを京東が担当する点は今回と同様だが、公式店舗ではなく、京東の商品の一部を快手に出店する店舗が取り扱えるようにする形だった。

このような形の場合、どの商品を中心に売り込んでいくかの主導権は京東側になく、あくまで快手の配信者の判断にかかっている。また、配信者が受け取る手数料についても一定の基準がなく、商品ごとに交渉が必要になる事が多い。

京東と抖音は、2019年の「618セール(6月18日前後に行われるECセールイベント)」のときに一度提携したことがある。当時は抖音で商品情報を検索するときに、「京東で扱う商品」を選ぶことができるようにしたが、購入には京東のアプリに跳ぶ必要があり、それほど踏み込んだ提携ではなかった。

今回判明した公式店舗は今年の618前に開設されることになり、セールが正式に始まれば抖音で京東の独占配信イベントを開催することも予定されている。

両社の狙いは明確だ。抖音はブランド商品の扱いを増やすこと目指しており、今年第1四半期の抖音のECのGMV(流通取引総額)ではブランド商品が70%を占めていた。しかし、有名ブランドの売上を伸ばすことが課題となっており、昨年の有名ブランドの比率は40%止まりだった。今年は年間GMV5000億元(約8兆5000億円)のうち、有名ブランドが3000億元(約5兆1000億円)という目標を立てているが、ハードルはかなり高い。京東には多数の有名ブランドが出店しているため、抖音にとって大きな助けとなるだろう。

一方の京東は、昨年ライブコマースを試験的に行い、今年はさらに規模拡大を目指している。さらに、インターネット大手が自社のサービスだけを使うよう利用者に圧力をかける「二者択一」が今年処罰されたため、各プラットフォームにより多くのブランドが出店するようになると考えられる。京東としても、新たに誘致したブランドの販売チャネルを確保する必要があり、抖音は最適なパートナーだと言える。

ECやライブコマース業界全体を見ても、今回の提携のインパクトは強い。抖音はアリババと緊密な関係を保っていたが、アリババは抖音で公式店舗を開設しておらず、両社の提携は抖音と「淘宝(タオバオ)」の間の販売金額目標契約がメインだった。2020年の目標金額は200億元(約3400億円)とされている。しかし、2020年8月に更新された抖音の規定では、ライブ配信で外部のECプラットフォームに誘導した場合、抖音が売上高の20%の手数料を徴収することになった。これは従来の提携にとって大きな障害になる規定だ。

その後各社の出方が注目されていたが、アリババではなく京東が先に抖音に出店した。他の各社がどう動くのか、目が離せない。

(翻訳・小六)

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