半導体の値上がりが追い風に、中国発MEMSセンサーが1年で売上高400%増

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MEMS(微小電気機械システム)式のガスセンサーなどを手掛ける「微納伝感」がシリーズAで数千万元(数億円)を調達した。中国中信集団(CITIC Group)傘下企業、「華米科技(Huami)」や「浩瀾資本(BROADSTREAM CAPITAL)」などが共同で投資した。

浩瀾資本のパートナー、李一峰氏は「センサーは万物をつなぐ基礎。MEMSセンサーは性能、消費電力、サイズ、コストなどで優れており、近年急速な成長を遂げた分野だ。圧力センサー、シリコンマイクセンサー、加速度センサーなど多種多様な製品に導入され、川下産業での競争が激化しているが、そのシェアはほとんど海外の大手企業に奪われている。微納伝感の主力製品であるMEMSガスセンサーは現時点では未開拓市場。国内外の企業は皆同じスタートラインに立っている」と語った。

微納伝感は2015年に設立後、MEMSセンサーとモジュールの研究開発および量産に注力してきた。主力製品にはガスセンサー、赤外線センサーなどがあり、家電、自動車などの幅広い製品に導入されている。

同社が開発したMEMSガスセンサーの仕組みはこうだ。MEMS技術を駆使した成膜技術を通じてシリコンウエハー上にセンサー材料を積み重ねて、センサー材料の下で起こる電気抵抗がヒーターを作り出し、ダイオードを温度計測の部品とする。そして信号調整回路と電気回路を同一のシリコン半導体基板上に集積させ、小型化、集約化、モジュール化、スマート化されたガスセンサーが生まれる。

MEMSガスセンサーは気体の成分と濃度を計測できるため、空気清浄度、ガス漏れ、VOC(揮発性有機物質)やホルムアルデヒドの計測に使えるほか、食品鮮度、車のコクピット環境、新エネルギー車の電池稼働状況の測定にも応用できる。

また、同社のガスセンサーは工業系制御システム、自動化設備、内燃機関のガス流量モニターなどにも応用されている。中国政府の「一帯一路」政策の推進に伴い、同社製品の海外展開も順調に進み、2020年受注分の輸出成長率は200%を超えたという。

MEMSガスセンサーはその極小サイズと消費電力の低さ、低コスト、高感度などを強みに自動車と家電業界では特に広く使用されている。今後、MEMSセンサーを活用する業界は増加すると予測されている。

同社共同創業者である李志華氏は「創業からずっと技術力を武器に成長してきた。数年にわたる技術研究や製品開発の結果、当社独自の核心的技術を持つまでになった。近い将来、製品の性能、供給が安定し、業界で一流の水準になると見込んでいる」と語る。

微納伝感はIC、MEMS業界のOEMメーカーと良好な需給関係を結んでいる。中国のMEMSガスセンサーのリーディングカンパニーとして、半導体の値上がりという追い風の中優先的に受注できる状況だ。2018年末に製品の量産を開始し、2020年の売上高成長率は400%を超えたという。将来、MEMSガスセンサーの市場は数千億元(数兆円)規模に達すると予想される。

(翻訳:Qiunai)

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