中国の地域イベント支援企業が1億円調達。シニア市場の拡大で注目

地域コミュニティでイベントを開催するプラットフォーム「社区天天楽」が、エンジェルラウンドで同程衆創などから600万元(約9800万円)を調達した。。

2013年、江蘇省常州市で設立された社区天天楽は、中国で「社区」と呼ばれる地域コミュニティで各種イベントを開催する。中国共産党常州市委員会宣伝部、常州市文広新聞出版局、常州市文化芸術界聯合会の支援を受けた公益文化活動の主催団体だ。2015~2017年の間に常州市内の全コミュニティをカバーする体制を整え、これまで595会場でイベントを開催した。


「社区天天楽」主催のイベント

中国では近年、時間と経済力を併せ持つシニア層をターゲットにした商品やサービスの消費が伸びている。2015年度のシニア関連消費がGDPの8%にあたる4兆元に達した。2015年にはGDPの3分の1相当に成長すると期待されている。シニア層向けの観光ツアーや動画視聴サービス、広場ダンスなど文化・娯楽活動の需要が高まるとともに、消費力のある1960~1970年代生まれが中高年層に差しかかっており、市場はさらに伸びると考えられる。

地域コミュニティで開催されてきた住民向けイベントはこれまで各自治会の管理組織が管轄してきた。しかし専門知識やノウハウがなく、イベントの内容や開催回数・頻度、観客の満足度や広報体制にさまざまな問題があり、住民の関心も高まらなかった。そこに目をつけたのが社区天天楽の創業者、趙倩氏だ。従来は行政主導だった社区の文化活動に企業を巻き込むことでイベントの質を上げ、住民の需要に応えていくとともに、提携企業にもビジネス機会を提供した。地域コミュニティを舞台としている以上、主要顧客はシニア層になると考えている。

出演団体、演目、会場、広報企業などを集積したプラットフォームを形成し、各地の要請に合わせたイベントを開催する。現在、1300以上の出演団体、20以上のイベント組織、3000以上に上る演目・出演者・舞台装置・小道具などのデータを登録・管理している。

さらに、市内600カ所の社区で開催した公演履歴(公演回数、観客の満足度や需要など)を定期的に集積し、分析を行う。各公演のレポートは公式サイトに掲載され、観客が自由に感想や評価を寄せられる。それをもとに、年度ごとに優秀団体が選出される。出演団体は観客からの声を活動に反映することができ、宣伝効果も期待できる。将来的には各都市で展開する計画もあるが、その鍵となるのは提携先とのマッチングだという。


「社区天天楽」公式サイトより

社区天天楽は公益文化活動の支援を目的としているが、運営には商業化の要素も欠かせない。主要ターゲットとなるシニア層でスマートフォンの普及率が低い点や、オフラインでの消費が中心になる点を汲みながら、眠っている需要や消費を掘り起こしていく。当面は江蘇省内でサービスを拡大し、将来的には全国区での展開も視野に入れている。

今回の出資元となった同程衆創は旅行・インターネット・テクノロジーを掛け合わせた事業を育成している。国内大手オンライン旅行会社の同程旅游(LY.COM)傘下にある。

(翻訳・愛玉)

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