TSMC、iPhone 13搭載のチップの量産開始 

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台湾の半導体メディア「DIGITIMES」が5月27日に報じた内容によると、半導体ファウンドリ世界最大手の「台積電(TSMC)」が次世代iPhone向けのSoC「A15」の量産を開始したという。A15はiPhone 13シリーズから搭載される予定だ。

報道によると、A15はA14と同じ5nmのプロセスノードで製造され、需要量はA14よりも多くなる。アップルが2022年から4nmのプロセスノードでSoCの製造を開始するとの情報も流れている。

iPhone 13のサイズは、12と同じ5.4インチのmini、6.1インチのiPhone 13と13 Pro、6.7インチのiPhone 13 Pro Maxとなる。ProはLTPO(Low Temperature Polycrystalline Oxide)ディスプレイを採用し、最大120Hzの可変リフレッシュレートを実現。カメラは全機種で刷新され、正面にある顔認証用の切り込みも小さくなる。

コロナ禍で2020年のアップルの製品生産は予定より遅れ、iPhone 12の出荷時期は通常より1カ月ほど遅くなった。今年はコロナ禍に加え、世界的な半導体不足も懸念材料として上がるが、アップルはこうした課題をクリアし、今年9月に新しいiPhoneを発表できるのだろうか。

消息筋によると、アップルは次世代のiPhoneの部品サプライヤーに納期を厳守するよう要請した。世界的な半導体不足や、感染症により物流のキャパシティが不安定となっているため、サプライヤーは安定供給に向けて腐心している。

一部のサプライヤーからの情報によると、9月納品分までの手付金をアップルからすでに受け取っているという。重要部品であるMLCC(積層セラミックキャパシタ)、チップ抵抗器、インダクタ、本体保護コンポーネント、水晶振動子は、9〜10月の生産繁忙期に合わせて出荷量を増やす事が可能だ。

また、チップへのニーズがやや減少したため、関連業種の在庫が正常な水準に戻ったことも好材料だ。アップルが販売の閑散期に合わせてTSMCへの発注を減らしたため、クアルコム、米ブロードコム、AMD、台湾のメディアテックなどのチップメーカーの生産体制に余裕が出てきた。

しかし、すでに2022年上半期の発注をした集積回路設計企業もあるように、集積回路設計企業からファウンドリへの発注が依然として高いことは、アップルにとって懸念材料である。また、ウェハーの原価がさらに上昇すると見込まれるため、2021年7~9月期以降のチップの値上げについて交渉を始めた企業もある。

総合的に見れば、半導体の不足は今年7〜9月期から緩和される見込みだ。しかし、この時期はちょうどアップルが大量に発注する時期に当たるため、ファウンドリの生産キャパをめぐる競争が一気に激しくなり、端末の価格の上昇につながる可能性がある。

原作者:「芯東西」(WeChat ID:aichip001)

(翻訳・小六)

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