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このほど、アートトイブランド「ポップマート(POP MART)」が業界を越えて二次元カルチャーファッションブランド「猫星系(GALAXY CAT)」に出資した。猫星系は主にロリータやJK(女子高生)制服風ファッションなどを手掛けている。
ポップマートが流行りのファッションブランドに出資したのはこれが初めてではない。同社は漢服ブランド「十三余(SHI SAN YU)」にも出資している。中国の伝統衣装である漢服はすでに広く認知されているが、日本生まれのJKファッションはここ数年オーディション番組を通して知られるようになった。ロリータファッションはさらにマイナーで認知度もそれほど高くない。また、ロリータファッションは比較的高価で、ロリータファッションを好む女性は「Lo娘」と呼ばれ、男性は「Lo漢」と呼ばれているという。
ポップマートにとって二次元カルチャーとの提携はブランドの若返りをはかる試みの一環だ。ブランドの活力を保つ一方で既存ユーザーの枠組みを飛び越え、ニッチなファッションカルチャー愛好者のニーズをつかむことが狙いだ。
ロリータなどのニッチなファッションカルチャーは現在成長傾向にあるという関連データもあり、ブランドにとってはニーズを掘り起こす大きな余地があるといえる。
テンセントが昨年発表した2000年以降生まれの若者の好みに関するレポートによると、JK制服・漢服・ロリータファッションが人気トピックの上位3位を占めたほか、62%の若者が自分の興味のある分野により多くの時間とお金をかけたいと回答したという。
アリババ傘下のECモール「淘宝(タオバオ)」のデータでは、過去一年間で漢服・JK制服風ファッション・ロリータファッションの売り上げが100億元(約1700億円)規模となったという。
企業も「ロリータ」人気に便乗?
最近、ロリータファッションを好む動画投稿者がフードデリバリー「美団(Meituan)」の制服を用いてロリータファッションの服装を制作した動画をアップし、動画配信サイトのBilibili(ビリビリ)で特に人気となった。動画は300万回近く再生され、サイト全体のランキングでも最高5位を記録した。
動画アップ後、多くのネットユーザーが美団に対し、この動画に「投げ銭」をするようコメント。美団公式アカウントも動画にコメントし、コメント欄のやり取りも非常に盛り上がった。
今回の動画はロリータファッションという若者が好むカルチャーと企業がコラボすることで、企業が若者グループの中で良い意味で注目される一例となった。さらに多くの公式アカウントが「我が社のブランドも使って欲しい」と当該動画にコメントしている。
今回の美団以外にも、ブランドが業界を越えてロリータファッションと「化学反応」を起こした例がある。例えば乙女系の商品展開で注目される中国発のコスメブランド「花知暁(Flower Knows)」だ。花知暁はリーズナブルなコスメを手掛けており、二次元を意識したパッケージでネットから人気に火が付いた。昨年5月末、アリババ傘下のECサイト「天猫(Tmall)」に出店、若者の目線で、若者が好むスタイルのマーケティングを行っている。
若者のニッチなカルチャーが豊富になるにつれ、そこに目を付けビジネスにつなげようとする企業はこれからますます増えていくだろう。
(翻訳・山口幸子)
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