京東が配車サービス参戦? 滴滴の独占市場、美団に続く
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美団点評(Meituan Dianping)の新規事業である配車サービス美団打車(メイトゥアン・ダーチャー)は、南京での1年間に及ぶテストを経て3月21日に上海で正式にローンチしたが、その後は新たな都市に進出していない。
美団打車がIPOのために9月4日に更新した目論見書は、配車サービスが同社のプラットフォームに与える価値を再評価している最中としており、配車サービスをさらに拡大する気はなさそうだ。美団打車は南京と上海止まり、ということになる。
配車サービス最大手滴滴出行(DiDi Chuxing)とのシェアの奪い合い、「上海の戦」での資金の使いっぷりに加え、滴滴が起こした不祥事で悪化した世論を前にして、美団がここで歩みを止めるのは賢明な選択だろう。確かに、現在の環境は配車サービス事業の発展には不利である。
ところが、京東集団(ジンドン、JD.com) は、この市場へ参入しようとしている。
天眼査の情報によると、京東の子会社である「江蘇京東信息技術有限公司」が「配車サービス等の業務」を定款の事業目的に付け加えた。そこで、「京東も配車サービスを始めるのではないか」という憶測が業界内に飛び始めた。
Eコマースを主力とする京東は、配車サービスとは関連が薄い。だが、その成熟した物流システムを考慮すると、京東にとって参入は不可能ではない。「江蘇京東信息技術有限公司」は、京東のスピード配送業務の中核を担っている。
美団と同様、京東も「ラスト1マイル」まで自前の配送スタッフを擁している。技術の面でも、配車サービスと物流配送が解決してきた問題はよく似ている。限られたドライバーや配送スタッフで、いかにして、より短時間で正確に注文をこなすか、ということだ。配車サービスの「配送」は乗客を目的地に届けることであり、物流配送の「配送」は荷物を顧客に届けることである。
ロジスティックスの視点で見ると、物流の本質は輸送であり、配車サービスはその延長線上にある。運ぶ対象が「モノ」から「ヒト」に変わるにすぎない。美団が配車サービスに参入した時のロジックに通じることである。
京東が所有している車輌の種類や台数から、「京東の配車サービスは貨物版『滴滴』になるだろう」と分析するアナリストもいる。つまり、満帮、快狗、貨拉拉のビジネスモデルと同じような、貨物のマッチング・プラットフォームになるということだ。
一方、「京東は、将来の備えとして経営範囲に一項目を加えたにすぎない。すぐにサービスが提供されるとは限らない」という見方もある。
滴滴は不祥事の連続で急拡大路線を修正せざるを得なくなっており、この間にも配車サービス業界は刻々と変化している。プレイヤーの参入と撤退はこれからも続くだろう。
著者:曹倩(2018-09-04)