Z世代を狙う自動車メーカー、中国最大のゲームショウ「ChinaJoy」に次々と参戦

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中国最大のゲームショウ「ChinaJoy」は、ゲームメーカーが最も注目するイベントだ。多くのアニメファン、ゲームファンにとっては年に一度の祭典であり、そこには未来の消費を担う数十万人の若者が集まる。

若い世代との距離を縮めるために、自動車メーカーのChinaJoy出展が相次いでいる。

今年のChinaJoyは7月30日に開幕し、記者が大まかに見たところ6社の自動車メーカーが出展していた。メジャーゲームタイトルとコラボしたブースを設営したり、ボディーにアニメのキャラクターが描かれた車体を展示したりして、業界の壁を超えようとしている。このように他業界から参入する自動車メーカーに対して、若者たちはお金を落とすだろうか。

「痛車」をメインにした展示

年季の入ったアニメファンでChinaJoyに18回参加している柯瑞氏によると、今年は自動車メーカーの参加が明らかに増え、自社ブースを出したメーカーもあったという。

自動車メーカーは入場者の好みに合わせて、ボディーにアニメやゲームのキャラクターを描いた「痛車」をメインに出展しており、柯氏は「これはとてもChinaJoyらしい試みだ」と称賛している。

柯氏によると痛車を出展することで自動車メーカーはゲームやアニメファンとの距離を縮めることができるという。

例えばフォルクスワーゲンと「上海汽車(SAIC)」の合弁会社である「上汽大衆汽車(SAIC Volkswagen Automotive)」は、SUVタイプのEV「ID.4 X」2台をブースの両側に展示した。1台はポケモンとのコラボでピカチュウと同じ色に塗装された車体、もう1台は人気ゲーム「王者栄耀(Honor of Kings)」のe-Sportsトーナメント「King Pro League(KPL)」とのコラボで、ゲーム中のキャラクター「花木蘭」をテーマにデザインされた車体だった。

ブースを構えていない自動車メーカーも提携パートナーを通じて存在感をアピールしようとしている。

中国EVメーカー「小鵬汽車(Xpeng Motors)」は米半導体メーカー「クアルコム(Qualcomm)」のテーマブースに登場した。小鵬汽車の関係者によると従来の枠組みを超えてZ世代のユーザーとのコミュニケーション方法を模索したいとのこと。

積極的な自動車メーカーに対する若者の反応

ChinaJoy主催者の統計によると、入場者数は年々増加している。中でも18~34歳は消費の主力軍で、購買力が最も強く、より新しいものや革新的なものを試してみたいと思っている。

新型コロナウイルスの影響にもかかわらず、今年のChinaJoyの入場者は20万人を突破した。

ChinaJoyのスマートモビリティプロジェクトの責任者である曽丕権氏によると、様々な調査データを参考にして、「将来的にモビリティ領域は若者にとっても関心のある市場」になることを見越して、展示の対象拡大を決めたとのこと。

入場者提供

これまで自動車メーカーはChinaJoyでどのように入場者とコミュニケーションを取れば良いのか分かっていなかった。しかし今年、自動車メーカーはようやくその突破口を見つけつつある。例えばBYDが自社開発した新型電池「刀片電池(ブレードバッテリー)」は、ホログラフィック・ディスプレイを採用し、剣客をテーマにしたブースで展示され、とてもクールな印象を与えた。

そのほかにも各自動車メーカーはさまざまな体験プログラムを設け、入場者とのコミュニケーションを図った。上汽大衆汽車のID.4 Xの展示には、ゲームや写真撮影用のフォトフレームなどが用意され、ゲームを攻略すると参加者は賞品としてブラインドボックスを受け取ることができた。

提供:入場者

「自動車メーカーはChinaJoyを通じた販売促進を期待してはいない。ChinaJoyのトラフィックを利用して、次世代の消費グループを事前に育成したいと考えている」と曽氏は語る。展示会の初日に曽氏は「江淮汽車(JAC)」「奇瑞汽車(Chery)」「極氪(Zeekr)」「愛馳汽車(Aiways Automobile)」などの自動車メーカーと接触した。同氏によると「各メーカーの意気込みは強く、特に極氪は来年には800平米のブースを出展したいと言っている」という。

しかし、無視できないギャップも存在する。自動車メーカーと主催者の積極的な姿勢に対して、すべての若者が興味を持つわけではない。依然として多くの入場者の興味はChinaJoyの本来のテーマであるゲームにある。

あるゲームファンによると、他業界からの出展が増えるにつれてChinaJoyの在り方が変化してきているという。「ゲームを目当てに行ったのに、他の分野の出展が多すぎた。数年前の盛り上がりに比べると今のChinaJoyは面白みが少ない」と失望を表すゲームファンも少なくはない。
(翻訳・普洱)

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