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中国の半導体メーカー「GalaxyCore(格科微電子)」が8月18日、上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板(スターマーケット)」に上場した。発行価格は1株14.38元(約250円)。プレマーケットでは一時、時価総額が1000億元(約1兆7000億円)を超えた。本稿執筆時の上げ幅は135.1%で、株価は1株35.25元(約600円)、時価総額は880億9000万元(約1兆5000億円)となっている。
GalaxyCoreは2003年に設立。主な製品はCMOSイメージセンサー(CIS)とディスプレイドライバー用チップだ。目論見書によると、今回調達した資金は主に12インチサイズのCIS集積回路に関する独自技術の開発と産業化に充てられる。
目論見書によると、同社の株主にはシャオミ(小米科技)傘下の「湖北小米長江産業基金(Hubei Xiaomi Changjiang Industrial Investment Fund)」やテレビ大手「TCL」、携帯電話メーカー「伝音控股(Transsion)」などが名を連ねている。
GalaxyCoreのCISは、シャオミや、OPPO、vivo、ノキア、レノボ、伝音控股などの主要メーカーの端末に利用されている。また、PCやウエアラブル端末、自動車電子系統、工業などの分野でも活用されている。
同社の売上高は、2017年が19億7000万元(約335億円)、2018年が21億9000万元(約370億円)、2019年が36億9000万元(約630億円)。年平均成長率は36.97%。特にCISの売上高が占める割合が増加し続けており、2020年第1四半期には92%近くに達している。
2018~20年の主な取引先は、電子機器販売大手「聯強国際(シネックス・テクノロジー・インターナショナル)」、サプライチェーンマネジメントの「富森供給鏈(Fusen Supply Chain)」および電子機器の開発・販売を手掛ける「捷越科技(GEAROY LIMITED)」だった。
純利益も右肩上がりとなっている。経常外損益の控除後の親会社に帰属する当期純利益は、2017年はマイナス1100万元(約1億9000万円)だったが、2018年は1億700万元(約18億円)、2019年は3億3500万元(約57億円)とプラスに転じている。
GalaxyCoreは目論見書の中で、売上高増加の要因を二つ挙げている。
一つ目の要因は、スマホに搭載されるカメラレンズの数が増えたこと。2000年には一つだったカメラレンズが、2011年には二つになり、2019年以降は4〜6眼カメラを搭載したスマホも現れた。カメラレンズの数と必要とされる部品の数は比例する。また、カメラレンズの画素数が全体的に向上したことも、GalaxyCoreのCISの需要を増やし、平均単価の上昇につながった。
二つ目の要因は、自社独自の技術を開発したこと。集積回路の設計で自社開発したコア技術を用い、コスト削減を実現した。このほか、COM(chip on the module)実装技術により、歩留まり率や技術的難易度などを大幅に改善し、費用対効果を向上させた。
GalaxyCoreは2020年、出荷量で世界シェア29.7%を獲得し、世界一のCISサプライヤーとなった。同分野の主な競合企業はソニーや韓国のサムスンとSKハイニックス、米オムニビジョンなど。
LCDディスプレイドライバー用チップに関しては、2019年に中国市場でのシェアが9.6%に達し、中国本土の企業としては唯一上位5位に入った。
GalaxyCoreのCMOS分野の製品ラインナップの多くは1300万画素以下で、1600万画素以上の製品の量産には至っていない。ディスプレイドライバー用チップに関しても、解像度がより高い液晶ディスプレイ(LCD)、アクティブマトリクス型有機EL(AMOLED)用のドライバーチップは手掛けていない。
GalaxyCoreは、国産化を進める多くのチップメーカーと同様の戦略をとっている。まずはローエンド製品からスタートし、コストパフォーマンスの高さを生かして国内大手企業からの受注を獲得する。生産ラインが整い、安定的な生産が可能になってから、ハイエンド製品の生産へと進む戦略だ。上場を果たしたGalaxyCoreにとって、ハイエンド製品のラインナップをいかに作り上げていくかが今後の課題となるだろう。
(翻訳:lumu)
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