ユニセックスファッション「bosie」にビリビリ動画など出資、Z世代に大人気

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中国の新鋭デザイナーズブランド「bosie」はこのほど、シリーズB+で数億元(数十億円)を調達した。リード・インベスターは動画共有サイト・ビリビリ動画(bilibili)と五源資本(5Y Capital)が務め、既存株主の金沙江創投(GSR Ventures)も追加出資した。bosieの資金調達は3年間で5回目となる。

2018年に設立されたbosieは、ユニセックスファッションブランドとして「Z世代」を中心に人気が広がり、この2年に最も成長している新興ブランドの一つだ。今年の売上高は7億元(約120億円)、累計では10億元(約170億円)以上に達する見込み。

bosieの製品

bosieは3種類の実店舗を展開している。直営の旗艦店「bosie SPACE」は面積が2000平方メートルを超え、うち半分ほどを製品展示、残りを顧客体験のスペースに充てている。一級都市や新一級都市に出店する「bosie LAB」は800~1000平方メートルの大型店で、共同経営によって運営と顧客開拓の効率を上げ、来年は15店ほどの開設を計画。300~400平方メートルの小型店「bosie CLUB」は一~二級都市で十分な数を開設後、地方都市での出店を強化する方針だ。

bosieの店舗

今年はオンラインチャネルも広げた。以前はアリババ系ECモール「天猫(Tmall)」のみに出店していたが、6月に短編動画アプリ「抖音(Douyin、海外版はTikTok)」のECで販売を始めた。開始2カ月目からは月間GMV(流通取引総額)が1000万元(約1億7000万円)を超え、年末には月間GMVが3000万元(約5億1000万円)以上となる見通しだ。オンラインのマルチチャネル化は販路拡大の足掛かりとなり、同社によると、天猫と抖音の顧客は4%しか重複していないという。

顧客の増加と顧客層の変化に伴い、bosieの顧客像も明確になってきた。女性顧客の割合が60%に増えたほか、当初は一~二級都市が中心だった販売地域が地方都市へと拡大し、三~五級都市の顧客が全体の60%を超えた。また、「95後(1995年以降生まれ)」を中心に顧客年齢の幅も広がっている。

顧客像が明らかになったことで細かい経営が可能となった同社は今後、「唯品会(VIP.com)」「得物(POIZON)」「京東(JD.com)」などのECサイトでもそれぞれの特徴や属性に応じた製品販売を通じて差別化を図り、新たな顧客を開拓する方針だ。

組織構造にもbosieの革新的な面が表れている。業務部門は顧客対応のフロントオフィス、製品管理のミドルオフィス、それらを支えるバックオフィスに分かれ、うちバックオフィスは複数の「スタジオ」で構成される。3〜5人の小規模な業務ユニットで成り立つ各スタジオは単独で収支を管理し、成果に応じたインセンティブが支払われる。将来的には会社がプラットフォームのようになり、その上で数多くのスタジオが競い合う形を目指している。

創業者の劉光耀氏は「95後」の男性。北京大学卒業後に清華大学の修士課程で学んでいた2017年、休学してファッションブランドを立ち上げるという周囲が驚く決断をした。bosieの売上高は2020年に3億元(約51億円)を超えたという。

同社のコアメンバー30名のうちアパレル業界の経験者は18名のみ、残る12名は金融やIT業界の出身者だ。多様なバックグラウンドと柔軟な組織構造を有する同社は、度量の大きさが特徴となっている。

今回の調達資金は、製品開発の強化や、素材メーカーや加工工場との協力を通じたサプライチェーンの高度化に充てられる。
(翻訳・神戸三四郎)

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