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VR(仮想現実)向けインタラクション技術を手掛ける「KATVR(杭州虚現科技)」が、シリーズA+で「分享投資(SHARE CAPITAL)」から数千万元(数億円)を調達した。同社にとって4回目の資金調達だ。
KATVRは2015年設立で、VR用デバイスを開発、生産、販売する。研究分野はバーチャル空間とリアル空間をつなぐVRインタラクション技術、モーションキャプチャー技術、人体工学などで、国内外に数百の知的財産権を保有する。自主開発した歩行型VRプラットフォーム「KAT Walk」、「KAT Walk mini」、「KAT loco」などのシリーズはFCC、CE、RoHS、RCMなど各国の安全認証を取得。同社は、世界で主に使用されている全方向性トレッドミル(ODT、Omni-directional treadmill)のサプライヤーの一つだ。ODTはVRランニングマシンと呼ばれるVRのコントローラーで、物理的空間の制約を受けずにVR体験が可能になる。
KATVRのコア製品は全方位VRランニングマシン「KAT Walk」シリーズだ。没入型の入力デバイスで、リアルで1平米のスペースがあればVR世界では無限に広がる空間を移動でき、場所の広さやコンテンツの制限を受けない低コストで高い効果が得られるソリューションだ。また、身体の自然な動きに沿って操作を行うため、VR酔いと言われる乗り物酔いに似た症状を大幅に軽減でき、没入感を高めると同時にユーザーの安全を守っている。
KATVRの主な市場は海外のゲームプレーヤー向け、中国国内の企業向けおよびオフラインのエンターテイメントの3つだ。
VRのハードウエアは、主に海外のコアなゲームプレーヤー向けだ。歩行型VRルームランナー「KAT Walk C」は2020年6月末に米クラウドファンディングサイト「Kickstarter」で販売価格を1台1499ドル(約16万円)に設定して資金を募り、24時間で目標の100万ドル(約1億1000万円)に達した。
Kickstarterでは、多くのVR周辺機器メーカーがクラウドファンディングに成功している。VRシューズ開発の「Cybershoes」もfacebook傘下ブランド「Oculus VR」のVRヘッドセット「Oculus Quest」向けに手掛けたVRシューズをKickstarterで販売し、目標額を調達した。
一方、KATVRは中国市場の開拓では、企業向け市場とオフラインのエンタテインメント市場に重点を置いている。
中国の一部の業界は、すでにVR技術を導入している。訓練での利用が多く、例えば電力や炭鉱の作業訓練や鉄道のシミュレーション訓練のほか、消防救援訓練、軍隊や警官の実戦訓練などがある。KATVRは訓練の内容に合わせて製品導入プラン、設備設計、現場での取り付け、運営指導とアフターサービスを提供する。大手国有建設企業「浙江省建工集団」、浙江省金華市の消防機関などがKATVRの研修プログラムを導入し、海外ではトルコの取引先に「メッカ巡礼のVR体験」を制作した。VRを活用した訓練システムサービスは、加盟店方式で取引先を広げている。
KATVRの収入源は主に中国国内の企業向け市場と海外での個人向けハードウエア製品の販売で、企業向け事業が国内の業績の70〜80%を占める。海外の個人向け販売は主にクラウドファンディングで行っており、KAT Walk Cは2020年にKickstarterで1170万元(約2億円)調達した。
(翻訳・二胡)
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