サムスンの新型折り畳みスマホ、価格26万円でも中国で予約100万台超え

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サムスンの新型折り畳みスマホ、価格26万円でも中国で予約100万台超え

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サムスンが8月、折り畳み式の最新スマートフォン「Galaxy Z Fold3 5G」を発表した。同社で第3世代の折り畳み式スマートフォンとなる。上下に折りたたむ方式を採用した「Galaxy Z Flip 5G」も同時に発表された。

ファーウェイとシャオミ(小米科技)の折り畳み式モデルと比較すると、サムスンの新製品はヒンジ(ちょうつがい)の技術とディスプレイ品質で耐久性と使用体験を大幅に向上させた。

技術改良がされているにもかかわらず、先代までの製品に比べて安いため、今回の2つの新モデルは全世界の市場で人気を博している。韓国、米国はもとより、中国市場での予約台数も好調だ。

韓国では8月17日から23日までの販売予約期間中、Galaxy Z Fold 3とGalaxy Z Flip 3を合わせて92万台の注文が入った。米国市場では同2機種の予約台数が、1月から7月までのGalaxy Z Fold 2の総販売台数を超えている。中国市場での予約台数も100万台を超えた。

サムスンにとってこれは喜ばしいニュースだ。長年に渡りサムスンは中国市場で業績が落ち込んだままで、市場でも同社のスマホを目にすることは少ない。この折り畳み式の新モデルで中国市場での復活を目指す。

サムスン以外にも、中国国内のスマホメーカーが次々に折り畳み式スマホに参入している。

ファーウェイが今年初め、第3世代の折り畳み式スマホ「Mate X2」を発表したのに続き、シャオミも「MIX Fold」を発表し、折り畳み式ディスプレイ市場を盛り上げている。これ以外にOPPOやvivoも折り畳み式スマホを発売するという情報がある。

シャオミ MIX Fold 画像はシャオミ公式サイトから

とはいえ、折り畳み式スマホは中国ではまだ流行っているとは言い難い。

香港の市場調査会社Counterpointなど複数のリサーチ機関によると、今年は折り畳み式スマホの販売台数は世界で1000万台を突破する見込みだが、10数億台のスマートフォン市場全体の販売台数からするとわずか1%未満で、折り畳み式スマホに対応するソフトやハードウェアのエコシステムも整っていない。サムスンの新モデルだけでは、折り畳み式スマホブームを起こすのは難しい。

よって、サムスンの新モデルが中国市場を立て直す重要な役割を果たせるかどうかも未知数だ。

市場調査機関Canalysが発表した2021年第2四半期の世界スマートフォン市場レポートによると、出荷台数5800万台のサムスンが依然としてトップで、全世界シェアの18%を占めている。それに続くシャオミの出荷台数は前年同期比83%増の5280万台に達し、全世界シェアの17%を占める。3位のアップルのシェアは14%となっている。

2021年Q2全世界スマートフォン市場状況、データ提供:Canalys

アップルがハイエンド機種市場を制し、シャオミがミドルレンジからローエンド機種市場を席巻しつつある中、サムスンはより革新的な端末をリリースできなければ市場シェアを奪われることになりかねない。だが、折り畳み式スマホが市場の主流になれば、サムスンの地位は強固なものになるだろう。

しかし折り畳み式スマホの価格は依然として高い。Galaxy Z Fold 3が前2世代より安いとはいえ、中国国内価格は1万4999元(約26万円)、海外価格は1799.99ドル(約20万円)。1万元(約17万円)を超える価格は一般消費者には受け入れづらく、サムスンは一定の消費力を備えた国や地域で折り畳み式スマホを普及させていかなくてはいけない。

サムスンにとって中国は折り畳み式スマホの重要なターゲット市場だ。今年第3四半期のアップルの売上高814億ドル(約9兆円)、そのうちグレーターチャイナ(中国本土、香港、マカオ、台湾)は147億6000万ドル(約1兆6000億円)で売上高の18%を占めている。これは中国の消費者がハイエンドスマホを買えるだけの十分な消費力を持っていることを意味している。

それでも、スマホの爆発事故などを経験したサムスンが再び中国の消費者に認められるにはより多くの努力が必要だ。

作者:WeChat公式アカウント「連線Insight(ID:lxinsight)」、李信
(翻訳・普洱)

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