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中国・貴陽市人民中級法院(地裁に相当)は9月23日、高級白酒(バイジュウ)の代表的ブランド「貴州茅台(マオタイ)酒」の元会長・袁仁国被告(64)に対し、収賄罪で無期懲役判決を下した。
袁被告は1975年に国有企業の貴州茅台酒に入社。偽物の排除や優れたマーケティングによって茅台のブランド力を大きく高め、同社の時価総額をアルコール飲料メーカーとして世界首位(2017年)に押し上げた。同被告は貴州省を代表する経営者として知られ、同省の要職にも就いていたが、2019年に幹部在任中の収賄が明るみになり、起訴された。
判決によると、袁被告は1994年から2018年にかけて、代理販売権や供給数を融通するなどの便宜を第三者に図り、その見返りとして合計1億1290万元(約19億4600万円)を受け取った。
茅台酒はコーリャンを原料とするアルコール度数50%前後の中国の蒸留酒で、800年以上の歴史を持ち、内陸の貴州省茅台鎮でのみ製造される。コニャックのブランデー、スコットランドのウィスキーと並び世界三大蒸留酒の一つとされ、中国政府や中国大使館が催す晩餐会に必ず供されることから「国酒」「外交酒」とも呼ばれてきた。主力ブランド「飛天茅台」の希望小売価格は1499元(約2万6000円)だが、実際の販売価格は2000元(約3万4000円)を超えることもざらだ。接待や贈答の定番品だが投機対象としても人気で、転売や偽物の流通も後を絶たない。
(文・愛玉、編集・浦上早苗)
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