ビリビリが「網易漫画」を買収へ、先行するライバルを追撃

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ビリビリが「網易漫画」を買収へ、先行するライバルを追撃

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11月21日、「ビリビリ動画(Bilibili)」による「網易(NetEase)漫画」の事業買収の交渉が最終段階に入ったことがわかった。網易が漫画事業を完全に手放すとのうわさはあったが、最終的にはビリビリが網易漫画の著作権と運営資産の大部分を買収することで落ち着きそうだ。

36Krが得た情報によると、今回の買収額は億元単位の規模になるという。漫画配信アプリのランキングで、網易漫画は5~6位あたりで、上位を占めるのは「快看漫画(Kuaikan manhua)」やテンセントの「騰訊漫画」などだ。

網易漫画は最近、両社間で行われる漫画業務スタッフの異動と転勤補助についてビリビリ人事部門とともに説明会を開催した。網易のスタッフがビリビリへ異動する利点やビリビリ側の受け入れ体制について説明した上でスタッフの選択を尊重するという。網易にに残ることを希望するスタッフに対しては人事部門が配置転換を行なう。

交渉が進んでいた11月12日、ビリビリ漫画アプリがリリースされた。まだテスト段階とはいえ、ログインした有料会員にチケットを進呈するキャンペーンのおかげで、ビリビリ動画の二次元ファンが続々と利用し始めている。

コンテンツの拡充を最優先と考えるビリビリにとって、今回の買収は、快看漫画や騰訊漫画に追いつく近道となる。2015年にリリースされた網易漫画が2万部の作品を所有しており、買収が全部か一部コンテンツになるかは交渉中だが、これらのコンテンツが今後ビリビリ漫画アプリでも読めるようになることは確かだろう。

これまでに網易が蓄積してきた知的財産資源はそのまま網易側に残り、将来的にはゲーム化・映画化される見込みもある。今回の買収で、ビリビリは網易漫画の膨大なコンテンツを活用して、アニメ、ゲームなど得意分野のビジネスを拡大する一方、網易は漫画アプリ競争の重圧から解かれ、漫画をゲーム化・映画化するとみられる。
(翻訳・畠中裕子)

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