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繊維・織物関連のBtoBプラットフォーム「百布(baibu)」がシリーズC2で1億ドル(約114億円)を調達した。タイガー・グローバル・マネジメントが主導し、「源碼資本(SOURCE CODE CAPITAL)」、「成為資本(Chengwei Capital)」、「雲啓資本(YUNQI PARTNERS)」、「雄牛資本(BULL CAPITAL PARTNERS)」も参加。調達資金は高品質繊維産業チェーンサービスのAI化、オープン化、規格化に充てられる。なお、百布は3カ月前にシリーズC1で3000万ドルを調達している。
百布の運営会社である広州致景信息科技は2014年に設立された。繊維・織物産業の取引構造を改革すべく、BtoBプラットフォームを開発・運営し、サプライチェーンの上流・下流をつなぐ役割を担うとともに、両者のマッチングや取引を効率化している。
同社は広州と紹興にサプライチェーンセンターを開設しており、1000社以上のサプライヤーと強固な協力関係を築いている。また、4000社以上のサプライヤーと提携して、百布が毎週数千種類にも及ぶ関連製品を廉価でリリースしており、これまでに10万社以上の衣料メーカーがサービスを利用したという。
取引効率化のために同社が行っているのは2点。1)ITを運用し、産業チェーンのスマート化を推し進める。2)全国各地の販売状況や傾向などに照らし合わせて、華東、華南、華西それぞれにスマート倉庫システムを導入する。
消費者向けインターネットサービスは飽和気味だが、産業向けインターネットサービスは絶えず発展を続けており、様々な分野で進歩している。同業界への投資熱も高まっており、今年だけでBtoBプラットフォームの「易久批(YIJIUPI)」がシリーズDで2億ドル、「九曳供応鏈(Jiuye Supply Chain)」がシリーズCで数億元の調達に成功している。
とは言え、シリーズC、シリーズDという段階を経て業界を牽引する企業がすでに出現している状況下で、産業用インターネット業界に参入するのは遅すぎではないだろうか。
産業用インターネットでは、倉庫や物流などのオフラインサービスが切り離せない。一部の勝ち組企業だけでこれらを独占するのは不可能だ。オフラインサービスの充実には物理的に密度が高いことが必要で、全国規模のプラットフォームが必ずしも各地のローカルプラットフォームを凌駕するとは限らない。理想は、両者が併存することだろう。
多くの大手BtoBプラットフォームは取引仲介をサービスの中核としている。カタログ形式や、買い手・売り手をつなぐマッチング形式からスタートして、徐々に独自のモデルへと発展させていくケースが多いが、実際はどのプラットフォームも構造的には大差ない。この点は、市場の空白、参入機会と言えるのではないか。
しかし、取引に関わる流通部分を改善するためには、さまざまな業界と提携することも必要だ。例えば、サードパーティーにプラットフォームの構築を委託するケースもあるようだ。この種の他業種と連携して開発されたプラットフォームは各業界で登場している。金融サービスと連携した鋼材取引の「五阿哥」、支払いツールと連携した非鉄金属取引の「飛馬大宗」などは、早期の資金調達にも成功した。自社製にしろ、サードパーティー製にしろ、対象とする業界の特性に適したフォーマットを見定めることが、ビジネスチャンスにつながるかもしれない。
今回の百布への投資について、リードインベスターをつとめた老虎環球基金(中国)の董事総経理の王鵬飛氏は、今回の投資の魅力を2点挙げている。1)繊維・織物市場は1兆元程度の規模があるが、この数十年間、サプライチェーンは旧態依然としたもので、ITによる革新の必要性に迫られている。2)百布は同分野におけるトップ企業であり、戦略思考と実行力に長けている。(翻訳・飯塚竜二)
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