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インドネシアのモバイルウォレット市場で競争が激化している。リードしているのはインドネシア配車サービス大手「Go-Jek」傘下の「Go-Pay」と東南アジアのライドシェアサービス大手「Grab Inc.」と提携する「Ovo」だ。
そして、市場拡大のチャンスを虎視眈々と伺っている「Dana」も忘れてはならない。インドネシアのメディア複合企業「Emtek」とアリババ傘下の「アント・フィナンシャル(螞蟻金服)」が共同出資するDanaは、プロモーションが功を奏し、Google Play(グーグルプレイ)の金融部門でアプリダウンロード数トップをひた走っている。
最初の段階では、各社のモバイルウォレットはアプリケーション内で完結していた。OvoやGo–Payを利用した場合、ウォレットに貯まったポイントは配車サービスの支払いに充てたり、GrabまたはGo–Jekが提供するサービスを受けたりすることができた。一方、Danaの戦略は違っていた。Emtekと提携して、通話・メッセージアプリ「BBM」をベースにしたサービスを展開したのだ。
次の段階に入ると、モバイルウォレットは、QRコードスキャンによる支払いなど実店舗でも利用されるようになった。
そして現在、ECサイトでモバイルウォレット決済が可能になり、同国のモバイルウォレット市場は新たな段階に進んだ。インドネシアの大手ECサイト「PT Tokopedia」は、Ovoと業務提携して、TokopediaのユーザーがGrab、Tokopedia、Ovoのサービスを利用する時に、Ovoのポイントで支払える仕組みを作った。
数ヶ月前には、Go-Payが中国EC大手ジンドン(京東集団/JD.com)などと提携した。Go-Payは特定のアプリに対してのみサービスを提供するのではなく、QRコードでの支払いに対応する戦略だ。顧客がQRコードをスキャンし、Go-Jekのアプリで確認すると、その金額がGo-Payの残高から即座に支払われる。
Danaも遅れをとるまいと、最近、ECサイト「Bukalapak」と提携した。BukalapakはEmtekの系列企業であり、Tokopediaの競合相手でもある。両社の提携により、OvoとTokopediaのように、ウォレットとECプラットフォームを組み合わせたサービスを提供できるようになるだろう。
(翻訳・桜田一美)
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