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Amazon出店ブランドを買収して集約させる、いわゆる「Amazonアグリゲーター」として中国で事業を展開する「Nebula Brands(奈百勒)」が、シリーズBで5000万ドル(約56億8000万円)以上の資金を調達した。リード・インベスターは仏LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)傘下で世界最大級のコンシューマー業界特化型PEファンド「Lキャタルトン」。Nebula Brandsの共同設立者・王彦植(William Wang)氏によると、調達した資金は主に、Amazonに出店する中国ブランドの継続的な買収に充てられる。
2019年に設立されたNebula Brandsは、今年5月にAmazonアグリゲーターとしての事業を始めた。Amazonに出店する中国の販売業者を買収し、そのブランド運営を行うことで、中国の多くのコンシューマーブランドがAmazonで事業を成長させ、ブランド力を強める支援をしている。
2018年から2021年にかけて、中国の販売業者やそれらが生み出すGMV(流通取引総額)の成長率が、Amazonにとってもプラットフォーム拡大の原動力となった。約60万社に上る中国業者が生み出すGMVは、Amazon全体の3分の1以上にあたる1350億ドル(約15兆3000億円)に達している。中国の製造業とサプライチェーンの優位性を背景に、AmazonのGMVに占める中国業者の割合はさらに上昇し、2025年には45%を占めると予想されている。しかし同時に、巨大な市場にもかかわらず、中国業者は資金力やマーケティング力などが足かせとなり、ブランディングに困難を抱える。
こうした現状を受け、Nebula Brandsは家庭用品、パーソナルケア、フィットネス、美容、ペット用品などのカテゴリーに焦点を当て、中国初のAmazonアグリゲーターとして業界に参入した。これらのカテゴリーは製品のライフサイクルが長く、ブランディングが容易であり、また中国ならではサプライチェーンの優位性もあって、買収する側にとっては将来性が大いに望める。
同社は販売業者を買収後、包括的なブランディングプランを実行し、彼らの持続的成長を阻んできた内外の原因を明らかにし、業界競争の構図、組織の運営力、サプライチェーンの成熟状況、資金フローなどの要素を検討する。さらにブランドのポジショニング、チャネルの展開、サプライチェーンのアップグレードなどについても、それぞれの専門チームが最適化を行う。
王氏は、Nebula Brandsは中国現地に根付く販売者ネットワークとサプライチェーン、中国出身者だけでなく欧米出身の人材も含まれる専門的な組織、デジタル化された意思決定システムが中核的な強みだと考えている。同社のメンバーの多くはEコマース、テクノロジー、金融関連の有名企業での経験を持つ。彼らが開発したデータ分析に基づくデューデリジェンス(適正評価手続き)の枠組みは、中国業者の特徴に沿ったもので、買収プロセスを合理化させられる。
海外のアグリゲーターとは異なり、中国に拠点を持つNebula Brandsは現地密着という点で優位に立っている。Amazonの商品の70%以上は中国のサプライチェーンに由来するため、多くの商品を中国内の同一工場で集約生産し、生産スケジュールの調整作業や物流もインテリジェント化できるからだ。これらの価値創造の多くの部分は、現地企業が業界各所に深く入り込んで行う必要がある。加えて、中国では中小企業のM&A環境もそれほど成熟していないため、Nebula Brandsが販売業者にアプローチする際、同じカルチャーが共有できることも信頼感を高める要因となっている。
「中国のブランドは、世界の消費者市場でますます多くの高品質な製品やサービスを提供するようになっており、その多くは可能性に満ちている。Nebula Brandsは、それらの中国ブランドがAmazonの売れ筋ブランドから国際的ブランドへと進化するための支援を提供できる。こうした業者を集約して運営を強化するモデルは、欧米市場ではすでに効果的だと証明されている」と、王彦植氏は自身の考えを述べた。
(翻訳:浅田雅美)
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