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IT大手バイドゥ(百度)傘下のAI企業「小度(Xiaodu)」が今月7日、スマートフィットネスミラーを発表した。価格は4199元(約7万5000円)からとなっている。フィットネスのカリキュラムや体感型ゲームを内蔵するほか、AIカメラが体の19の骨の構造を捉えてユーザーの動きをミラーに再現し、ユーザーはリアルタイムで自分の動きを確認できる。
今回販売分のフィットネスミラーは発表会終了後20分で即完売した。同製品が完売となったのは、先月8日の発売以来6回目だ。
「任天堂哲学」に通じるポジショニング
コロナによる生活習慣の変化は住まい、生活、仕事、フィットネス、娯楽の各分野で起きている。この影響が広がるにつれ、住まいというシーンも注目されるようになった。
ポストコロナ時代で最も早く注目されるようになったスマートハードウエアとして、フィットネスミラーは2021年の資本市場の新しい寵児と言える。セコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉資本中国基金)、「高瓴創投(GL Ventures)」、中国スマートフォンメーカーのシャオミ(小米)、IT大手の騰訊控股(テンセント)などが相次いで参入し、各社がそれぞれの角度からこの市場に挑戦している。
しかし、国際フィットネス協会「IHRSA」とフィットネス関連企業向け店舗管理システムを手掛ける「三体雲動(styd)」のデータによると、中国のフィットネス人口は4.9%にとどまり、ヨーロッパの平均水準である10.1%の半分にも満たず、米国の20.3%に遠く及ばない。
ソフトやハードに費用がかかり、フィットネス人口は低迷しているなどの理由から、フィットネス習慣を続けるのは難しいと言える。そのため、コロナの影響があるにせよ、フィットネスミラーの普及は依然として「夢は膨らむが現実は厳しい」状態だ。
小度が変えたいと願っているのも、まさにこの点だ。
同社のフィットネスミラーのキャッチフレーズは「家族全員で楽しくフィットネス」だ。小度の景鯤CEOによると、同社のミラーはトレーナーや筋金入りのフィットネス愛好家に対象を絞ったミラーとは異なり、フィットネスをしたくて会員カードを作ったけれど続かないといった初心者にも適している。
例えば、カリキュラムの中にはダンス、筋力トレーニング、ボクササイズなどの難度が高めのカリキュラムのほか公園や広場で行うような軽いダンスや簡単なゲームもあり、老若男女誰もが自分に合った内容を見つけることができる。
このほか、1年のうち300日運動すれば代金を無料とするプロモーションイベントを行ったり、消費したカロリーをギフトに交換できる仕組みも取り入れたりしている。
実際、こうしたフィットネス、ゲーム、娯楽を組み合わせた楽しみ方を提供する任天堂の「リングフィットアドベンチャー」は大成功している。
小度のフィットネスミラーのポジショニングは、任天堂のスタイルに似ている。景氏は取材の中で書籍「任天堂“驚き”を生む方程式」の内容を引用し、任天堂とソニー、マイクロソフトの路線の違いを説明した。
当時ソニーとマイクロソフトのゲームは大作やかなりのゲーマー向けの路線に進んでいたが、任天堂はターゲットを一般のゲームユーザーに定めた。
景氏は「一部のフィットネス製品はよくできてはいるが本格的なユーザー向けだ。我々は運動が続かない多くの人にフィットネスの楽しさを感じてもらいたい」と話す。
小度は今年9月30日に、独立して一年を迎えた。スマートフィットネスミラーのほか、同社はスマート学習タブレット、AIカメラ付きテレビ、自動でノイズを軽減するスマートイヤホン、ペン型スキャナー辞書など一連の新製品を発表してきた。さらに今年8月には独立後3度目となるシリーズBでの資金調達を達成。本ラウンド後の評価額は330億元(約5900億円)を超えている。
(翻訳・二胡)
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