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1月21日夜、動画ストリーミングサイト「愛奇芸(iQiyi)」のオーディション番組「偶像練習生(Idoil Producer)」のシーズン2「青春有你」が始まった。そのわずか3日前に「優酷(Youku)」が同ジャンルの「以団之名(All For One)」をスタートさせており、両社が新番組で激突することになった。
スタートダッシュに失敗
コミュニティサイト「豆瓣(Douban)」の評価では、「偶像練習生」が6ポイント、「以団之名」はわずか3.2ポイントだった。
現時点で「青春有你」のポイントは出ていないが、コメント欄を見ると楽観視はできない。「弾幕」と呼ばれる動画上を流れるコメントにも、出演者の質が前シーズンより落ちたという声が多い。
対する「以団之名」にも、「ステージ効果がカラオケ以下」、「画質が悪すぎる」などの批判コメントが噴出。ステージ上での数々の失態により、候補生の未熟さが露呈する結果となった。映画情報サイト「猫眼専業版」での評価はわずか2.4ポイントだった。
まだ結論を下すことはできないが、放送開始時点での状況は思わしいものではない。
優酷の窮状
かつて動画業界の覇者だった優酷だが、現状は厳しい。
2009年に施行された著作権規制により大きくつまずき、その後は上場企業としてのプレッシャーから経費がかかる動画事業の縮小を迫られた。
アリババに買収されて資金面で有利になったと見られたが、優酷が事業を縮小している間に、愛奇芸とテンセントビデオ(騰訊視頻)が地位を確立。優酷は大金を投じてワールドカップの放映権を入手したものの、長期的な効果は得られなかった。
QuestMobileのデータによると、ワールドカップ終了後、優酷の月間アクティブユーザーは減少を続けている。愛奇芸とテンセントは2018年にアイドル養成系のバラエティー番組で大きな収益を上げていた。
ファン経済も甘くはない
優酷にも人気バラエティー番組はある。愛奇芸の「熱血街舞団(hot-blood dance crew)」と同時期に放送された「這!就是街舞(Street Dance of China)」は、編集や出演者に対する真摯な態度が視聴者に受け、口コミ評価と放送回数で愛奇芸に圧勝した。とはいえ、同番組だけに頼って状況を打開するのは不可能だ。
優酷が「以団之名」に力を入れる理由は、放送時のトラフィックを稼げるだけでなく、アイドル経済による収益も見込めることだ。加熱するファン経済の中で、アイドルは大きな収益をもたらす可能性を秘めている。愛奇芸とテンセントがシーズン2をスタートさせたのもこのためだ。
優酷は全く新しいバラエティーを制作するより、成功パターンに便乗することを選んだ。しかし、中国では海外人気バラエティーを模倣した番組があふれて番組の同質化や粗製濫造を招き、国家が介入するという悪循環に陥っている。
この悪循環を断ち切る必要があることは、視聴者からの批判的なコメントで明らかになっている。2年前の「チャネルが重要か、コンテンツが重要か」という論争に対する答えは「良いバラエティーかどうかは、結局コンテンツの質できまる」というものだった。
優酷がファン経済という市場でパイを奪えるかどうか現時点では判断できないが、正面対決した「青春有你」や近くスタートする男性バージョン「創造101」といったライバルの存在を考えると、道は険しいと言えそうだ。
(翻訳・畠中裕子)
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