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中国のAI(人工知能)ユニコーン「4Paradigm(第四範式)」が香港証券取引所メインボードに提出した目論見書を更新した。保証推薦人(スポンサー)を務めるのはゴールドマン・サックスと中国国際金融(CICC)。香港証券取引所が2月23日に明らかにした。
4Paradigmは2014年設立、意思決定を支援するAIの開発に注力している。プラットフォームを主体とするAIソリューションを通じて、企業がAIを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)を迅速かつ大規模に実施し、意思決定力の向上を図れるようサポートしている。中国コンサル企業「灼識諮詢(CIC)」のリポートによると、2020年の売上高は中国のプラットフォーム主体の意思決定AI市場で首位だった。
最新の目論見書によると、事業範囲は金融、小売、製造、電力・エネルギー、通信、医療・ヘルスケアなど。2021年第1~3四半期には「フォーチュン・グローバル500社」に選出された企業および上場企業といった大手顧客が55社となり、顧客企業の総数は前年の同時期から82.4%増加して186社となった。
企業向けソリューションの利用が拡大するなかで、大手顧客に対する平均収益が増加を続けていることが目論見書で示された。大手顧客に限った平均売上高は2018年が390万元(約7100万円)、19年が830万元(約1億5100万円)、20年が1230万元(約2億2400万円)、21年第1~3四半期が1240万元(約2億2600万円)と推移しており、成長率は19年が250%、20年が167%と高い水準になっている。これは同社が顧客企業に大きな価値をつくり出していることを実証するものだ。
これに伴い4Paradigmの売上高も増加の一途をたどっている。年間売上高は18年が1億2800万元(約23億円)、19年が4億6000万元(約84億円)、20年が9億4200万元(約172億円)だった。21年第1~3四半期の売上高は前年同期比134.3%増の13億4500万元(約245億円)となり、この時点ですでに20年の年間売上高を上回っている。
20年8月13日、4Paradigmは香港市場向けに目論見書を提出したが、残念ながら、6ヶ月以内に審理を通過することができず、「失効」になった。2回目の申請となった現在も、同社の財務状況はあまり改善されておらず、損失は徐々に拡大している。目論見書によると、株式など非金銭的報酬の影響を除いた調整後の営業損失は18年が2億1300万元(約39億円)、19年が3億1800万元(約58億円)、20年が3億8600万元(約70億円)、21年第1~3四半期が3億9100万元(約71億円)だった。
研究開発費は18年が1億9300万元(約35億円)、19年が4億1600万元(約76億円)、20年が5億6600万元(約103億円)、21年第1~3四半期が8億4400万元(約143億円)で、売上高に対する研究開発費の比率はそれぞれ151.2%、90.6%、60%、62.8%となっている。21年第3四半期末時点で、同社には全従業員の72%を占める1062人の研究開発スタッフが在籍している。
目論見書によると、IPOで調達する予定の資金はAIプラットフォームに関連して用いられ、基礎研究や技術力、開発力の強化のほかブランディングや新たな事業分野への参入などに充てるという。
(翻訳・畠中裕子)
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