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浄水器メーカー「通用浄水科技(General Water Technology)」がシリーズBで数千万ドル(数十億円)を調達した。リードインベスターはGGV Capital(紀源資本)、コ・インベスターは高成資本(Gaocheng Capital)で、調達した資金は主にスマート化製造拠点やグローバルR&Dセンターの建設、中国国内のサービスネットワークの拡大加速に充てる。
通用浄水の主な事業はエンドユーザー向けにきれいな水のソリューションを提供することだ。既存の浄水器メーカーと異なり、通用浄水は浄水器そのもの以外にもさまざまなIoT関連のサービスを提供する。同社はこれを「WaaS(Water as a Service)」と位置づけ、技術・サービス・データが一体となったコア・コンピタンス(企業独自の強み)を形成している。
同社のサービスは家庭向けと企業向けの二つに分かれている。企業向けサービスはほぼあらゆる就業環境で飲用水を提供でき、同社が力を入れている分野だ。創業者の王鉄氏によると、水道から給水する同社の浄水器はボトルから給水していた従来のウォーターサーバーに替わる理想的なソリューションだ。ウォーターサーバーのように水が二次汚染にさらされる危険もなく、ボトルの交換作業からも解放され、予備のタンクを保管するスペースも必要なくなる。さらにプラスチックの使用量を減らせることからCO2排出削減にも貢献でき、導入企業は従業員に満足の行く飲用水を提供できるだけでなく、ESG(環境、社会、企業統治)にも配慮できる。
家庭向けサービスでは、生活用水、飲用水を含め、生活空間全体できれいな水が使えるスマートソリューションを提供する。中国では家庭用浄水器市場がすでにある程度の規模に育っており、普及率は全国で30%以上、一〜二級都市に限れば約50%に達している。市場競争は激しく、ネームバリューや販路で優位にある老舗家電ブランドが市場で相応のシェアを握っている。
しかし、家庭用浄水器が今なお成長中の市場であることも事実だ。米コンサル会社フロスト&サリバンのデータでは、中国で供給される水のうち浄水器で濾過された水が占める割合は2013年には11.3%だったが、22年には56.3%に達すると予想されている。中国の市場調査情報サイト中商情報網(ASCKI)の予想では、家庭用浄水器は今後も6〜10%ペースで成長し、市場規模は21年に379億5000万元(約7300億円)に達したとの計算だ。
通用浄水の技術的優位はナノフィルターを用いた浄水ソリューションと、データのスマート管理システムにある。中国で流通する浄水器の多くはROフィルター(逆浸透膜)を使って精製水を作り出すもので、安全性が高い反面、ほぼすべてのイオンや有機物を取り除いてしまう。しかし通用浄水のナノフィルターは取り除く物質を選択しながらろ過するため、水に豊富に含まれる天然ミネラルやカルシウム、マグネシウム、セレン、メタけい酸などの微量元素を残せる。
データのスマート管理システムはエンドツーエンドのソリューションシステムを構築することで、IoT機器からクラウドへ顧客のフィードバックを転送し、アフターサービス担当者が浄水器の状態を把握すると同時に、前もって対応やサービスの準備をできるようにする。
浄水ソリューションは環境保護にも寄与する。500mlのボトルウォーター1本が生産され、消費者のもとに届くまでに110グラムのCO2を排出すると言われる。オフィスで1日100リットルの飲用水が消費されるとするなら、通用浄水の企業向け浄水器を使うことで1日あたり22キロのCO2排出を削減できることになり、1年なら5.5トン削減できる。通用浄水の企業向け浄水器を導入した顧客企業は、21年時点で合計5億本の使い捨てペットボトルを節約し、CO2排出量を合計5.5万トン削減した。
通用浄水は飲用水に対する若者の好みにも配慮している。多様化するエンドユーザーの需要を満たすため、氷水やスパークリングウォーターを提供できる浄水器も発表した。
チャネルに関しては直営モデルを採用し、独自のサービスチャネルを構築して25の省・直轄市・自治区の約200都市にネットワークを広げている。21年には事業が前年比で大きく成長し、企業向け浄水器の利用台数は10倍増となり、店舗は約500店にまで増えたという。
(翻訳・山下にか)
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