電動キックボードに続くか 電動スケートボード「Exway」、個性追求する若者に訴求

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電動スケートボードのブランド「Exway」がシリーズAで4000万元(約7億9500万円)を調達した。出資はセコイア・キャピタル・チャイナのシードファンドで、調達した資金は主に納品効率とサービスの質の向上に充てる。

2016年に設立されたExwayの母体は広東省深圳市の企業「爍途科技(Sunto Technology)」で、Exwayブランドとして電動スケートボードの4つの製品シリーズ「X1」「Atlas」「Flex」「Wave」を展開している。価格は599ドル(約7万7000円)から1999ドル(約25万6000円)までで、あらゆる消費者のニーズに見合う選択肢を提供する。主なマーケットは海外で、米国での売り上げが全体の6割以上を占める。

「X1 MAX」製品写真

Exwayから受ける第一印象は、若者向け、スタイリッシュといったものだ。1枚のボードに4つの車輪、さらにハンディタイプのリモートコントローラーが付属する製品にはバッテリーや電気制御装置などの装備が加わり、スケートボードそのものが再定義された。

創業者の曽超氏によると、Exwayのユーザー層はドローンメーカー「DJI(大疆)」のユーザー層に近いという。消費者がドローンを購入するのは一般的に人とは違うことをしたいという欲求が動機になっているが、スケートボードも元来トレンドやカルチャー、エクストリームスポーツの代名詞的存在であることから、電動スケートボードの愛好者もドローンユーザーと同様に自分の個性を追求したいという気持ちが強いと指摘する。「我々のユーザーの多くは新しもの好きであるため、弊社の製品も若い消費者の方がよりブレイクさせやすかった」と述べる。

あらゆるものが電動化、インテリジェント化していく趨勢もあり、電動スケートボードに類似する電動キックボードの市場が現在成長を続けている。電動キックボードの2020年の生産高は12億1500万ドル(約1600億円)で、中国の産業情報サービスQYResearch(恒州博智信息諮詢)の予想では電動キックボードのグローバル市場は年平均成長率15.55%で推移し、2027年には33億4100万ドル(約4300億円)に成長する。電動スケートボードは電動キックボードと同じ短距離移動ツールで需要は一致しており、電動キックボードの市場が示す数字は大いに参考になる。

急成長する電動キックボード市場で製品供給を主に担うのが中国だ。2020年に生産された電動キックボードのうち約85.5%にあたる364万台は中国製だ。曽超氏も「効率的な中国のサプライチェーンのおかげで、中国の販売業者は海外業者のほぼ半分にまでコストを抑えられる。こうした価格的優位を武器として市場で生き残り、高いシェアを握るようになったトップメーカーのほとんどが中国企業だ」と説明する。

電動モビリティツールはロイヤリティが高く、「ヘビーユーザーを生み出しやすい」属性を持つ。いわゆる「沼にハマる」と使い続けずにはいられなくなるのだ。購入する製品も徐々にグレードアップし、最初は400ドル(約5万1000円)のエントリーモデルを使っていても、買い替えていくうちに1000ドル(約12万8000円)クラスの製品を使うようになる。

ただし、サプライチェーンが成熟しているとはいえ、電動スケートボード産業はまだ立ち上がったばかりだ。確かな安定性や手軽さ、便利さを備えると同時に斬新さも持ち合わせていることが継続的に顧客を引き続ける主な要素となる。曽超氏によると、同社の製品改良に対する考え方は創業してから6年間で、目新しい体験を提供する「足し算」的な思考から、ユーザーの視点から真のニーズを探る方向に変化していったという。

Exwayのサービスネットワークは現在、50以上の国の200都市以上をカバーし、5万人を超えるアクティブユーザーにサービスを提供している。2019年の販売額は4000万ドル(約50億円)に迫り、21年3月時点で販売台数は累計10万台を突破、電動スケートボードブランドとしての影響力を国内外で強めている。

(翻訳:山下にか)

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