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現実世界と仮想世界を融合させるXR(クロスリアリティ)事業を手掛ける「ShallxR」は広東省広州市に本社を置き、主に海外で事業展開するスタートアップだ。同社はオフラインでXRの体験を共有できるアミューズメント施設のワンストップソリューションを提供し、最終的には10億人以上の消費者に「10分間の刺激的なXR体験」を提供しようとしている。
VRヘッドセットは価格の高さなどから普及には至っていない。ShallxRは、オフラインでXRの体験を共有できるアミューズメント施設を通じてさまざまな消費者にアクセスしようと考えた。
同社は欧米を中心に、アミューズメント施設として500平方フィートの「Meta Bar」と2000平方フィートの「Meta Bar Pro」を展開している。開設にかかる初期投資額は10~30万ドル(約1300~3900万円)に上り、3〜8カ月で投資を回収できるという。同社の事業は2021年9月から急成長、月2倍のペースで売上高が伸び、わずか3カ月で北米と欧州の30カ所以上にアミューズメント施設を開設した。
Meta BarはVRヘッドセット、ゲーム機、コンテンツで構成される。ユーザーはVRヘッドセットで視覚的没入感を、ゲーム機で移動、揺れ、振動、温度、触覚、重力などを体験できる。
同社の社員にはシステム、光学、マイクロディスプレイ、スマート製造の分野で10年以上の実務経験を有する博士が多くいる。光学、電気機械、アルゴリズム、人間工学など多岐にわたる分野の研究開発に取り組んだ結果、同社はVRヘッドセット、ゲーム機、コンテンツを高度に統合するオプトメカトロニクスとソフトウエアの一体化技術を確立した。
XRに触れる機会が少ない一般消費者でも、手頃な料金で10分間の忘れがたい体験が得られる。同社が目指すのは、自由、公正、オープンなオフラインのメタバースを通じて、XR技術の変革がもたらすハイレベルなデジタル体験を消費者に提供することだ。まだ大手企業が同じようなアミューズメント施設の展開に力を入れていない中、同社は技術面から大手企業の牙城を崩す機会を見出した。
ShallxRが急速に事業を拡大できた背景には、創業メンバーが海外のXRギーク(技術・知識マニア)コミュニティで長年培った影響力がある。唐剣虹CEOは海外のXRギークに特化するVRヘッドセットブランド「小派科技(Pimax)」の共同創業者であり、同社が開発した世界初の8K VRヘッドセットがクラウドファンディングサイト「Kickstarter」でVRヘッドセットの世界記録となる423万ドル(約5億5000万円)を集めた際にチームを率いていた。
唐CEOは、XRの体験を共有することが消費者のハードルを下げると考えている。VRプロダクト「Oculus」のユーザーはVRヘッドセットに299ドル(約3万9000円)、コンテンツ1本に数十ドル(数千円)を支払う必要がある一方、Meta Barなら1回わずか10ドル(約1300円)でXRを体験できる。ShallxRの試算によると、約1万カ所のMeta Barを開設すれば、XRのユーザーは10億人に達する。市場が急成長する中、同社は3〜4年ほどで1万カ所のMeta Barを開設できるという。
(翻訳・大谷晶洋)
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