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車載用電池製造の世界最大手「寧徳時代新能源科技(CATL)」が、従来の目標を大幅に上回る生産能力を確保するために、遅くとも2026年までに100ギガワット時(GWh)規模の工場を建設することがわかった。同社の欧州地区責任者マティアス・ツェントグラフ氏の発言を、独経済紙「ハンデルスブラット」が報じた。
2018年7月、CATLと独テューリンゲン州政府は、2億4000万ユーロ(約300億円)を投じて同州エアフルト市にリチウムイオン電池の生産拠点とスマート生産技術のR&Dセンターを設立することで合意。2021年に稼働することを目指している。
年間生産100GWh規模が実現すれば、テスラとパナソニックが米ネバダ州で共同運営する「ギガファクトリー」の掲げる年間35GWhを大幅に上回り、世界最大のリチウムイオン電池製造工場となる。CATLはBMW、フォルクスワーゲン、ダイムラー、グループPSAなど名だたる欧州メーカーを顧客に抱える。EUの厳格な二酸化炭素排出規制がEVにとって大きな追い風になるだろう。
将来的には欧州圏外にも市場を広げる可能性もある。同社は先日、ホンダとEV(電気自動車)を共同開発し、2020年前半にも中国市場などで発売する予定だと発表した。
現在、車載用電池の世界大手には、CATLのほか、パナソニック、韓国のLG化学やサムスンSDIなどが名を連ねる。LG化学は昨年末、ポーランドで立ち上げたバッテリー工場に5億ユーロ(約620億円)を追加投資し、年間生産能力を70GWhに引き上げると発表。サムスンSDIは、昨年第2四半期からハンガリー工場を稼働させている。
CATLの決算報告書によると、同社の売上総利益率は2016年の43.71%から2018年第3四半期には31.38%まで落ち込んだ。これは生産コストの上昇に起因するとみられるので、欧州市場での足場固めが必須となった。
CATL董事長の曽毓群氏はドイツの新工場について「欧州市場進出の第一歩に過ぎない」と述べて、「欧州の全OEMメーカーにサービスを提供していきたい。テューリンゲン州でのプロジェクトが成功したら別の場所にも挑戦したい」と目標を明かした。
(翻訳・愛玉)
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