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中国IT大手テンセントが18日、2022年第1四半期(1〜3月)の決算を発表した。売上高は前年同期からほぼ横ばいの1354億7000万元(約2兆5700億円)、株主に帰属する純利益はNon-IFRS(非国際財務報告基準)で同23%減の255億5000万元(約4800億円)。3四半期連続で減益となった。
Non-IFRS基準での営業利益は前年同期比15%減の365億元(約6900億円)、営業利益率は前年同期の32%から27%に下がった。当期利益は同24%減の263億元(約5000億円)、純利益率は同26%から19%に下がった。EPS(1株当たり利益)は2.678元(約50.8円)、希薄化後EPSは2.62元(約49.7円)だった。期末時点での現金残高は 3041億元(約5兆7700億円)。
テンセントの馬化騰(ポニー・マー)CEOは「困難の多かった2022年第1四半期はコストコントロールや一部の非中核事業の調整を行い、将来的によりよいコスト構造へ改善できる見通しがついた。今後もさまざまな挑戦を通じてイノベーションに注力し続け、ユーザーやパートナー、そして社会のために価値を創出していきたい」と述べた。
フィンテックおよび法人向けサービス事業の売上高は前年同期比10%増の428億元(約8100億円)で、売上高全体の32%を占め、同社にとって今後の増収の主な牽引役となっている。しかしフィンテック関連サービスの伸びは停滞した。中国では3月から再び新型コロナウイルスの感染が拡大しており、決済サービスの利用が落ち込んだからだ。法人向けサービスはやや減収となったが、IaaS(Infrastructure as a Service)を見直し、闇雲に増収を目指すことから健全な成長を目指す方向に転換した。
中国市場向けゲーム事業の売上高は前年同期比1%減の330億元(約6300億円)。決算報告書によると、中国では未成年に対する保護措置としてゲーム時間などが制限されている関係で、アクティブユーザー数や課金ユーザー数が直接的にも間接的にも影響を被った。「リーグ・オブ・レジェンド」やそのスピンアウト作品「金鏟鏟之戦(Fight of The Golden Spatula)」など最近リリースされた作品による売り上げは、「コール オブ デューティ モバイル」や「天涯明月刀手游(Moonlight Blade Mobile)」などの不振によって大部分が相殺された。反対に海外向けゲーム事業の売上高は同4%増の106億元(約2000億円)で、「VALORANT」や「クラッシュ・オブ・クラン」などの売り上げが伸びたものの、アフターコロナの影響でゲームへの課金が減り、さらに「PUBGモバイル」の売り上げが減少したことが足を引っ張った。ソーシャルネットワーク事業の売上高は同1%増の291億元(約5500億円)だった。
オンライン広告事業の売上高は前年同期比18%減の180億元(約3400億円)。教育、インターネットサービス、Eコマースなどの業種で広告需要が停滞したうえ、オンライン広告業界に規制が実施されていることが影響した。SNSその他の広告事業の売上高は同15%減の157億元(約3000億円)で、モバイル広告のアライアンスが規制の変更に対応したことが主な打撃となった。メディア広告事業の売上高は同30%減の23億元(約440億円)。テンセントニュースやテンセントビデオなどの自社媒体で売上高が減少し、北京冬季五輪で得た広告収入を相殺した。
なお、テンセントが運営するミニアプリ「WeChatミニプログラム」のデイリーアクティブユーザーは5億人を突破した。
(翻訳・山下にか)
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