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中国では5月20日が「愛の記念日」になっている。「520(wu er ling)」の中国語の発音が「我愛你(wo ai ni、あなたを愛しているという意味」の発音と近く、2010年代にネットで広がった。この日に入籍したり告白したり、あるいはプレゼントを贈る習慣がすっかり定着している。男性が女性に、モバイル決済のWeChat Payで520元(約1万円)を送ったりすることもある。
東京でも中国人客が多い飲食店では、カップルで訪れた客に料理を一品サービスするなど、520にちなんだイベントが行われている。そして中国人向けの花屋も、年に一度の繁忙期を迎えているという。
杉並区の高円寺で今年1月に開業した「木花咲(このはなさき)」は、ネット専門のオーダーメード花屋だ。メッセージアプリの「WeChat」から注文を受け付け、客の要望に応じて作った花束を配送する。注文がオンラインで完結するので店舗は出しておらず、ビルの一室を工房にしている。
オーナーの李さん(23)によると、恋人の誕生日や、バレンタインデーのような記念日のプレゼントとしてのオーダーが多い。「バラの花を100本」「スプレーで色付けした青いバラ」など、見栄え重視の商品が中心という。520に向けた注文も増えており、5月14日時点で100件以上の予約が入っている。人気商品はカラーリングスプレーでバラを青く染めた「アイスクラッシュブルーローズ(碎冰蓝玫瑰)」やパステルカラーが印象的な「オーロラローズ(极光玫瑰)」。価格はバラの本数によって異なり、どちらも9本入りが6,800円、11本入りが8200円、21本入りが1万5200円。カラーリングされていない生花で作った花束は3500円〜。
中国人向けの中国料理屋「ガチ中華」ブームはテレビでもよく取り上げられているが、日本人はまず行くことのない中国人向け美容院や、撮影スタジオ、ボクシングジムなども増えている。EC花屋に至っては店舗がないため、日本人は存在を知ることもないだろう。東京の中国化は水面下で着々と進んでいるのだ。
阿生:東京で中華を食べ歩く26歳会社員。早稲田大学在学中に上海・復旦大学に1年間留学し、現地中華にはまる。現在はIT企業に勤める傍ら都内に新しくオープンした中華を食べ歩いている。Twitter:iam_asheng
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