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中国EC大手の京東集団(JD.com)が2018年第4四半期(10~12月)の決算を発表した。同期の売上高は1348億元(約2兆2400億円)で、ブルームバーグによるコンセンサス予想1325億元(約2兆2000億円)を上回った。これで売上高は5四半期連続で1000億元(約1兆6600億円)を突破したことになる。また、2018年の通期売上高は、前年比27.5%増の4620億人民元(約7兆7000億円)だった。
普通株主に帰属する継続事業による純利益(Non-GAAPベース)は7億4990万元(約124億8000万円)。市場予想では3億7800万元(約62億9000万円)の赤字とみられていたが、12四半期連続で黒字を維持した。普通株主に帰属する継続事業による純利益は通期で35億人民元(約580億円)だった。
金融市場や長期持分投資の公正価値変動を受け、GAAPベースでの普通株主に帰属する継続事業による純損失は通期で25億元(約420億円)となった。
2018年通期における総流通額は前年比30%増の1兆7000億元(約28兆3000億円)に迫った。中国国家統計局のデータによると、中国市場全体ではオンライン取引における消費財販売総額の伸びは前年比25.4%だった。中国でオンライン小売業全体の伸びが鈍化する中、同社の成長率は他社に比べ遜色ないと言える。
サービス事業における売上高は前年比50.5%増の459億元(約7600億円)で、全売上高の10%を占めた。また、未割当項目の営業利益率は設立以来最高の1.6%に達した(前年は1.4%)。
物流事業では、2018年末時点で全国に大型倉庫550カ所を配置し、その総面積は1200万平方メートルに上った。物流ネットワークの開放においても成果が見えつつある。物流事業およびその他サービスの売上高は前年比142%増となり、サービス事業全体の成長を牽引した。
京東集団の劉強東CEOは、2018年第4四半期の業績について「中核商品の売上高の伸びで業界平均を超えた」としている。同社は技術開発への投資によりユーザー体験と運営効率の向上に成功。技術開発費は前年比82.6%増の121億元(約2000億円)に上っている。
アクティブユーザーは同年末時点で3億500万人。同年第2四半期の3億1400万人から減少に転じている。
同社の売上高が伸び悩んだ理由について、ゴールドマンサックスの分析レポートは「マクロ環境に影響された消費の鈍化によるものであり、個人消費の回復に伴って復調するだろう」としている。
また、大手投資銀行の中国国際金融(CICC)は、京東の利益率は今年の前半までは特に伸び悩むと予測している。売上高の伸びが減速する一方で研究開発に多くの投資を行っていることが主因だ。さらに、「拼多多(Pinduoduo)」をはじめとするライバル企業がマーケティング予算を増やしていることで、EC業界全体のマーケティングコスト上昇も懸念される。CICCは同社の格付けを引き続きニュートラルとしている。
(翻訳・愛玉)
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