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中国旧正月期間中の米アップルのスマートフォンの売れ行きについて、米証券会社「Rosenblatt Securities」のアナリストが「iPhone値下げによる効果は限定的だ」と分析したと米テクノロジー関連情報サイト「AppleInsider」が報じた。
今年1月、中国の旧正月商戦の追い風に乗って、アップルはiPhoneの価格を試験的に引き下げ、大きな成果を得た。1月11日からわずか20日間で、iPhoneの販売台数は、大手家電量販店「蘇寧電器(Suning)」で83%、大手ECサイト「天猫(Tモール)」で76%増加したという。
しかし、Rosenblatt Securitiesの投資家向けアナリストレポートによると、今回の販売台数の増加は一時的だという。「最新の中国小売市場分析データによれば、iPhone値下げが中国市場での販売にもたらすメリットは少ない」と述べている。
Rosenblatt Securitiesのデータによれば、1月のスマホの出荷台数は、中国全体で前年同期比1割減だったのに対し、アップルや韓国サムスン電子等の非中国ベンダーは5割も減少している。また、スマホ市場全体が「デザイン・設計の変化に乏しい」とされ、需要の回復も望めない。アップルの販売数低迷は第3四半期の出荷台数に間違いなく影響し、3%減と見込まれている。これは市場調査会社「Canalys」が予測した中国スマホ市場全体の出荷台数と一致する。
また、Rosenblatt Securitiesは、アップルの予想株価を150ドル(約1万6500円)に変更し、投資評価をニュートラル(中立)にした。
スイス大手銀行UBSも、iPhone値下げにより中国市場における低迷が挽回できるとは考えていない。アナリストのTimothy Arcuri氏は、1月の研究レポートの中で、iPhoneの売上不振は今シーズン続き、来年秋の新型iPhone発売までは好転しないと断言している。
多くのアナリストが、値下げ戦略が原因だと考えており、アップルにとって、値下げ戦略はは決して求めるべき長期的な戦略ではないと指摘している。アップルもこの点に気づいたのだろうか、幹部を交代させ、アップル全体の売上高の3分の2近くを占めるiPhoneへの依存から脱却し、サービス事業の割合を高める体制へ転換した。しかし、短期間で結果を出せるかどうか、予測するのは極めて困難だろう。
(翻訳・桃紅柳緑)
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