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3月19日の香港株式市場取引終了後、大手スマホメーカー、シャオミは2018年第4四半期決算と通期決算を発表した。シャオミにとって、昨年の2大キーワードは「上場」と「調整」だった。2018年前半、同社は上場直前の準備とプロモーションに全力を尽くし、7月9日の上場後、集中調整期間に入った。
第4四半期の売上高は市場予想を下回るも、利益は200%以上増加
決算書によると、2018年第4四半期の売上高は前年同期比26.5%増の444億元(約7400億円)で、市場予想の462億3600万元(約7700億円)を下回った。調整後利益は前年同期比236.7%増の18億5300万元(約310億円)だった。
シャオミは調整期間である2019年第1四半期で、「紅米(Redmi)」ブランドを独り立ちさせるために、中国国内で紅米の新製品の販売を行わなかった。また、同社はスマホとアプリの開発・販売を手がける「美図(Meitu)」と戦略的提携を結び、傘下のブランドが5つになった。同社CFOの周受資氏は「2019年はシャオミのマルチブランド戦略元年になる」との見通しを示した。
売上高全体に占めるハイエンドスマホの比率をアップさせるために、同社は第4四半期に3種類の紅米スマホを発表したが、中国ではその中の2種類、「MIX3」と「小米Play」しか発表しなかった。しかも販売したのはMIX3だけだった。周氏によると、第4四半期は販売価格2000元(約3万3200円)以上のスマホの売上高がスマホ売上高全体の31.8%を占めたという。
しかし、中国市場におけるスマホの販売減速は、シャオミの第4四半期業績の足を引っ張ってしまった。
当四半期のスマホ事業売上高は前期比28.3%減、前年同期比7%増の250億7000万元(約4160億円)、売上高全体の56.5%を占めた。インターネット事業売上高は前期比14.58%減の40億3700万元(約670億円)で、前期比で減少に転じたのは2年ぶりだったインターネット事業が売上高全体に占める比率は10%ほどに過ぎないが、粗利益では半分近くを占め、同社の収益の柱となっている。
IoTはシャオミにとって、最も堅調な事業で、2018年第4四半期の売上高は前期比38%増、前年同期比75.4%増の149億3000万元(約2480億円)と、売上高全体に占める比率が初めて3割を超えた。
売上高に占めるAI+IoTの比率が確実に上昇し続けるとみられるとして、同社はAI+IoTをスマホと同列に扱うと表明した。今年初め、同社CEOの雷軍(レイ・ジュン)氏は、今後5年間で100億元(約1660億円)以上をAI+IoTに投入するという「ALL in AIoT」戦略を発表している。
通期決算は50%以上の増収増益
2018年通期の売上高は前年同期比52.6%増の1749億元(約2兆9000億円)、調整後利益は前年同期比59.5%増の86億元(約1430億円)と、50%以上の増収増益となった。全ての事業で増収を果たしたが、インターネット事業の売上高全体に占める比率は大きく伸びなかった。売上高全体の90%はスマホ事業とIoT事業によるものだった。
スマホ事業の売上高は前年同期比41.3%増の1138億元(約1兆8900億円)。2018年の世界スマホ出荷台数は4.1%減少したが、同社は逆に前年比29.8%増となる1億1900万台のスマホを販売した。
IT専門調査会社IDCによると、2018年のシャオミのスマホ出荷台数は前年同期比5.6%減となったが、中国での同社スマホの平均販売価格(ASP)は前年比で17%上昇したため、中国におけるスマホ事業の成長を維持できたという。
18年通期のインターネット事業売上高は前年比で61.2%増の160億元(約2660億円)で、売上高全体の9.1%を占めた。広告事業売上高は前年比79.9%増の101億元(約1680億円)。
IoT事業売上高は前年比86.9%増の438億元(約7270億円)。同社の IoTプラットフォームに接続された機器(スマホとノートパソコンを除く)は1億5100万台に達し、前年比で193.2%増加した。2018年12月31日時点で、スマートスピーカー「小愛同学」の月間アクティブユーザー数は3888万人を超えている。
もう一つ注目すべきことは、同社が海外市場で躍進したことだ。2018年海外売上高は700億元(1兆1620億円)まで増加し、売上高全体に占める割合も前年の28%から40%に上昇した。
(翻訳:小林香奈子)
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