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AIによって電話発信業務の効率は3~5倍向上し、マーケティングにとっては追い風となっているが、同時に迷惑電話や情報抜き取りなどの問題も浮き彫りになってきた。この状況を改善するため、中国工業情報化部は「迷惑電話特別改善行動計画」を発表して規制強化に乗り出している。
「智電助理(Zhidianzhuli、助理はアシスタントの意味)」はこの問題を解決するために開発された迷惑電話防止サービスだ。WeChat(微信)で公式アカウントをフォローし料金を支払うだけでサービスを利用でき、電話に出られないときや出たくないときにAIが代わりに対応して、通話内容をWeChatで送ってくれる。
同様の迷惑電話防止サービスはアリババやテンセント、「奇虎360(Qihoo360)」なども提供しているが、智電助理は通話相手とAIとの通話内容を記録するため必要な情報を見つけることができるうえ、営業側が番号を変えても撃退することが可能だ。リリース間近とされるアリババの「二哈」もよく似た仕組みだが、智電助理は通話内容を使用頻度の高いWeChatの公式アカウントに送ることで差別化を図っている。
熾烈な競争と巨大な市場を前に、智電助理は今後の計画を「立体化戦略」と呼んでいる。
1)意図の識別:データを蓄積し状況分析や対話技術の向上を行って、AIが相手の意図を識別したうえで対応できるようにする。例えば宅配便の受け取り住所を伝えるなど。
2)オプションサービス:将来的には有料のアイドル音声パックや個人のオーダーメード音声パックを販売する。
3)集団訴訟:AI対応で受けた電話番号や通話内容を収集し、集団訴訟を起こすときに有力な証拠として提出する。集団訴訟はユーザーの悩みを解決し、企業にも利益をもたらす。
現在、智電助理はリリースから1カ月ほどで、WeChatの公式アカウントはフォロワー数4000人以上となり、毎日100~300人増加している。費用は1カ月9.9元(約165円)、3カ月29元(約480円)、1年99元(約1650円)の定額制で、7割のユーザーが1カ月払いを選択しているという。AI電話対応に必要な電話転送サービスの利用料はユーザーの負担だ。
同社創業者の一人によると、2019年の目標はユーザー数800万~1000万人だという。現状とはかけ離れた数字に思えるが、これから商業化を進めることで実現できるとしている。すでに提携に関する協議もすすんでおり、ROI(投資収益率)や増加率も順調だという。
(翻訳・畠中裕子)
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