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中国自動車大手「浙江吉利控股集団(Zhejiang Geely Holding Group)」(以下、吉利)が、米中両国で自動運転トラックの開発事業を展開する「TuSimple(図森未来)」のアジア太平洋事業について、完全買収を計画していることが分かった。複数のメディアが報じた。
吉利はすでに、TuSimpleの米国本社に株式公開買い付け(TOB)の申出書を送付したという。現在のところ、買収額など詳細は公表されていない。
関係者によると、TuSimpleは以前からアジア太平洋事業の売却を計画していた。吉利は、TuSimpleと築いてきた強い提携関係などを背景に、出資者を代表して拘束力のない申出書を送付したという。申出書では、買収の対象はアジア太平洋事業の運営やサポートに関連する子会社の事業のほか、同事業の運営に必要な資産も含まれる可能性があるとしている。
吉利によるアジア太平洋事業の買収が成功すれば、TuSimpleは米国政府から中国事業との関係をめぐって管理・監督されることがなくなる。市場では、同社の株価上昇に有利に働くと分析されている。
TuSimpleは2022年2月、自動運転トラック事業の技術を監督する権限の一部を米国政府に移譲することで合意した。合意内容には、中国支社が自動運転に関するソースコードやアルゴリズムなど、一部のデータへのアクセス制限も含まれていた。
TuSimpleは2015年に設立され、米国では主に幹線輸送における自動運転に注力しているが、中国では港湾、埠頭エリアでの応用を進めている。21年4月15日には米ナスダックに上場し、自動運転企業としては世界初の上場企業となった。
(36Kr Japan編集部)
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