アリババ支援のARグラス「Nreal」、韓国企業から新たに1500万ドルの資金調達

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アリババが支援している、AR(拡張現実)テック企業の「Nreal」が、韓国発のアイウェアブランドGENTLE MONSTERの親会社IICOMBINEDから戦略的投資を受け入れ、1500万ドル(約20億円)を調達した。今回の戦略的投資を通じ、両社は消費者向けARグラスの事業提携を強化する。

Nrealは昨年9月に蔚来資本(NIO Capital)、雲鋒基金(YF Capital)、洪泰基金(Aplus Capital)の主導によって1億ドル(約140億円)超を調達、それから1年経たないうちに、アリババが主導するシリーズC+で6000万ドル(約85億円)を調達した。2017年の設立以降、累計で2億4000万ドル(約340億円)以上を調達している。

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昨年はVR・AR業界の動きが目立った。Meta(旧Facebook)傘下OculusのVRヘッドセット「Oculus Quest 2」の累計販売台数が1000万台を超えたほか、オンラインゲームサービスのRoblox(ロブロックス)がメタバースブームを起こし、TikTokを運営するバイトダンス(字節跳動)がVRヘッドセット開発のPico Technology(小鳥看看科技)を買収した。VR・AR業界で、昨年の世界の資金調達およびM&Aの金額は前年比128%増の556億元(約1兆1000億円)、中国では同約8倍増の181億9000万元(約3700億円)となった。

今年もVR・AR業界ではニュースが相次いでいる。MetaのザッカーバーグCEOがVRヘッドセットのプロトタイプ4点を一度に発表し、グーグルも先月公共の場でARグラスのテストを開始した。

市場調査会社のStrategy Analyticsは、2027年までに世界のARデバイス出荷台数が6000万台近くに上ると予測している。Nreal創業者の徐馳CEOは「ARは次世代インターネットの最も優れたデバイスで、2030年には世界で10億台のARグラスを人々が使うことになるだろう」と話した。

Nrealは先月23日、北京で初のARグラス発表会を開催し、開発者やクリエイターなどに向けた「Nreal X」と一般消費者向けの「Nreal Air」を中国市場で正式に発表した。Nreal Xは同社初の商品としてすでに海外で発売されている。Nreal Airも今年2月に日本、5月に英国で発売された。またNrealはARコンテンツにおいて動画配信プラットフォームの愛奇芸(iQIYI)、電気自動車(EV)の蔚来汽車(NIO)、ショート動画アプリの快手(Kuaishou)などと提携し、AR分野の革新的な体験を数多く創り出している。

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徐CEOは「AR業界は今最も良い時期にある。これからNrealは毎年少なくとも1つか2つ新製品を発表したい」との考えを明らかにした。

Nrealはこれまで英国、米国、日本、韓国などの海外市場を中心に事業を展開しており、市場の重心を中国に移すかどうか注目されていた。徐CEOは「そのようなことはなく、中国市場と海外市場のどちらでも事業を展開している。中国は当社の本拠地であり、当社にとって非常に重要な市場であるため、本格的かつ慎重な参入が必要だ。海外での予備テストは当社に多くの経験をもたらし、それらが全て中国市場を開拓する力になる」と説明した。

GENTLE MONSTERの創業者でIICOMBINEDのCEOを務めるHankook Kim氏は「今回の投資はファッションと科学技術を融合させ、境界を探る新しい試みだ。今後は両社の強みを合わせ、多くの可能性を生み出したい」と語った。

徐CEOは「Nreal は手が届く複合現実体験を世界中のプレイヤーに提供できるよう努めており、科学技術の特性を重視しながらデザインとの融合にも力を入れている。今後も引き続き、消費者向けAR市場で技術革新とコンテンツエコシステムの拡大を進めていく」としている。
(翻訳・大谷晶洋)

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