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「RC世界(RC-World)」は、リアルタイムで音と映像を伝え、実機を遠隔操作するRC(リモート・コントロール)プラットフォームで、スマホを使って実在するリモコンカーを現地にいるかのように遠隔操作できるものだ。
少し前に内部テスト段階に入ったゲーム「全民挖宝」を例に挙げると、RC世界が実際のフィールドを作り、そこに金属製のリモコン・ショベルカーを配置、ユーザーはアプリを使って視点を切り替えながらショベルカーを遠隔操作し、現実世界で埋もれた宝を掘り当てる。順番待ちをしているユーザーもさまざまな角度からプレイ中のゲームを観覧できるうえ、画面上にコメント字幕を走らせるなど、コミュニケーションを図ることも可能だ。
創業者の王鋌慧氏によれば、RC世界の中核となるのは超低遅延モードで「リアルタイム・リモートコントロール」を実現する一連のテクノロジーだという。5Gネットワークの大規模運用が始まれば、超高速通信によりユーザーの使用感は大幅な改善が期待できるほか、RC世界のプラットフォームを観光やARゲーム、リモート監視、防災などの分野にも拡大して、遠く離れた現実世界をつなぐ架け橋となることを目指す。
手軽に遊べるのが魅力
遠隔操作のゲームといえば、スマホ上でクレーンゲームの実機を操作して景品を狙う「オンラインクレーンゲーム」が思い浮かぶ。この種のゲームに共通しているのは、遠隔操作により地理的な制限を取り除き、現地にいるかのような臨場感が体験できることだ。王氏によれば、ユーザーはオフラインの臨場感やリアル感だけでなく、オンラインのリアルタイム性や利便性も求めているという。
リモートコントロール技術のおかげで、ユーザーは暇な時間にいつでも操作でき、初心者でも気軽に楽しめるようになっている。一方でベテランユーザーは、多種多様なリモコンカーを異なるシーンで操作することが可能だ。
リモートコントロール技術に大きな期待
「オンラインクレーンゲーム」に比べて、RC世界では、ユーザーがリモコンカーを操作して作業したり、フィールドで自由に動いたりできるようにするため、高い技術が求められる。
鍵となる技術について王氏が挙げたのは、リモートコントロールの基盤となる「超低遅延リアルタイム通信技術」、追跡や衝突回避などを可能にする「環境認識技術」、多様なリモコンカーをプラットフォーム上で操作できるようにする「リモコン機器接続技術」の3つだ。
特にリモコンカーの接続において、RC世界がプラットフォーム上で提供するスマートコントロール接続ボックス「雲控魔盒」は、さらなる発展への重要な足がかりだ。オンラインで遠隔操作するゲームを確立するには、まずプラットフォーム上に十分なリモコンカーやフィールドが必要になるが、これを全て自前でそろえようとすると初期投資や運営コストがかかりすぎる。
それを解決するために、雲控魔盒を使ってリモコンカーを「オンラインでシェア」するのだ。ユーザーがこのコントロールボックスをリモコンカーに取り付けることで、プラットフォーム上で遠隔操作が可能になり、友人に操作権限を与えてリモコンカーをシェアしたり、プラットフォーム上の見知らぬ人に時間貸ししたりすることもできる。これによりRC世界はリモコンカーをシェアしたいと思うユーザーを取り込んでプラットフォームのコンテンツを拡大できるため、リモコンカーやフィールドのラインナップを充実させている。
これまでRC世界はアプリ配信プラットフォーム「TapTap」でわずかに公開されるのみだった。しかし毎回のテストゲームには2000~3000人が参加して、「数が足りない」、「順番が回ってこない」などの不満が上がっており、この種のゲームに大きなニーズがあることを物語っている。今後はコンテンツや技術、使用感に改良が加えられ、さらに市場に普及していくとみられる。そして5G時代の幕開けと共に、より大きな可能性が開けるだろう。
(翻訳・畠中裕子)
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