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TikTokを運営するバイトダンス(字節跳動)はこのほど、オフラインの不動産仲介ブランド「小麦房産」を立ち上げ、福建省福州市に複数の実店舗を開設したほか、甘粛省蘭州市、広東省佛山市、福建省厦門市にチェーン店を開設する予定だ。小麦房産では、中古物件の売買や新築住宅の販売など、幅広い不動産仲介サービスを提供する。
小麦房産は、テナントデータをワンクリックで共有できる「XFL Room」システムを各店舗に提供することで新築・中古物件データを共有。顧客が物件を選ぶ際に5~8物件の情報を即座に提供でき、各店舗の効率化が図れるとされる。
業界として見ると、不動産仲介マーケットは非常に大きい。中研網の報道によると、過去5年間で中国の新築住宅の販売規模は6000億元(約12兆円)から3兆6000億元(約72兆円)、賃貸取引規模は3000億元(約6兆円)から9000億元(約18兆円)へと増加した。継続的な規模の拡大に加え、手数料率も徐々に上昇しており、中国における住宅仲介サービスの平均手数料率は2014年から2019年にかけて20%上昇し、手数料収入は636億元(1兆2700億円)から2515億元(約5兆円)へと増加した。現在、不動産業界は下り坂にあるが、不動産引き締め政策の縮小とともに市場も回復し、不動産仲介市場も改善に向かうとみられる。
また、バイトダンス傘下の「住小幇」はリフォーム事業「住好家」を立ち上げ、「住小幇」アプリ内と北京市朝陽区にそれぞれオンラインショップと実店舗をオープンしている。 現在、「住好家」は北京で個人宅のリフォームを手掛けているとされる。
バイトダンスが自ら内装事業に参入したのも意外ではない。「住小幇」はすでにインターネット上で内装業界をリードしており、ユーザー数も急増している。「易観千帆」のデータによると、2021年以降、市場占有率は上昇し、市場浸透率は2021年8月時点で59.1%に達している。 「住小幇」プラットフォームに関しては、月間アクティブユーザー数が2020年1月から現在までに5.4倍と急成長した。
インターネット内装市場の規模は拡大し続けているものの依然飽和状態にはなく、バイトダンスはこの大きな市場を獲得するチャンスがある。中商産業研究院(ASKCI Consulting)は、中国のインターネットの内装市場規模が2022年に867億1000万元(約1兆7000億円)に達すると予測する。同社はこうした状況を傍観しているだけではない。「住小幇」はインターネット内装プラットフォームとして手数料を受け取るだけではなく、自ら事業を運営した方が利益も上がる。バイトダンスは「小麦房産」「住小幇」を始めたことで、居住をめぐる事業体系を形成した。不動産総合情報プラットフォーム「幸福里」からオフラインの不動産仲介「小麦房産」、更にはワンストップの内装サービスプラットフォーム「住小幇」、リフォーム事業「住好家」まで、ユーザーはバイトダンスの傘下事業を通じて住宅選びから購入、リフォーム計画の検討から最終的なリフォームに至るまでワンストップでサービスを受けることが可能だ。
作者:WeChat公式アカウント「新言財経( ID:tech621)」、陳橋輝
(翻訳・大沢みゆき)
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