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中国のEC業界で展開された「618(6月1~18日に行われるサマーセール)」期間中、大手EC「天猫(Tmall)」は、アプリ内でプレイできるHTML5ゲーム「合猫猫」をリリースした。特定のミッションを達成したプレーヤーたちは総額3億元(約47億円)に上るボーナスポイントを山分けして獲得することができ、セール期間中の買い物に使うことができた。
合猫猫は618期間中の消費活動を促すとともに、同じアリババ系のECアプリに実装されている他の複数のミニゲームへユーザーを誘導する役割を担っている。それらのゲームの一つが「淘宝人生」だ。
淘宝人生に接続して、まず行うことは主人公のキャラクター設定だ。続いて、性別や容姿などを選択してキャラクターをカスタマイズする。
ゲームの内容は10数年前にも流行した着せ替えゲームに似ている。構成自体はシンプルだが、メインミッション、サイドミッションが設定されており、撮影(ツーショット)機能、ショッピング機能に加え、福袋などのオプションも設けられ、アプリ内で友人間のコミュニケーションに使える仕掛けとなっている。ゲーム画面を退出した後も、アプリ画面「マイページ」右上のアイコンをクリックすればいつでもプレイが再開できる。
もちろん、Eコマースと紐づけた機能も実装している。キャラクターに着せる服飾品の中には、バーチャルアイテムに交じって実際に天猫で取り扱っている商品が並ぶ。ここから商品の購入画面へ直接進むことも可能だ。現段階では提携する出店業者はそれほど多くはないとはいえ、女性向けファッションカテゴリではEC業界トップに座するタオバオ(アリババ系CtoCサイト)が着せ替えゲームを実装したことの意義は、過去にリリースしたミニゲームよりも大きなものになるだろう。
タオバオが最初に実装したミニゲームは、日本の人気作品「旅かえる」の中国語版だった。出店業者が同作品の関連商品を出品し、取引高が成長することを狙ったものだったが、ゲームそのものの人気が長く続かず、不振に終わった。その後、多くのECアプリでトレンドとなったのは農場ゲームだ。タオバオや天猫では、育てた作物をアプリ内のポイント「淘金幣」や天猫で取り扱う商品と交換できるシステムを採用したが、ユーザー、サプライチェーン、連動方式がうまくかみ合わず、大きな成果を得たとは言い難い。
タオバオ・天猫の両事業を統括する蒋凡総裁のもと、アリババは2016年からECのコンテンツ化戦略を推進しており、動画やライブ配信などを導入している。これらの成果は数字にも表れており、2019年度(2018年4月~2019年3月)のタオバオ・天猫を合わせた月間アクティブユーザーは、前年より1億人以上増加して7億2100万人に達している。
(翻訳・愛玉)
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