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中国新興電気自動車(EV)メーカー「蔚来汽車(NIO)」の李斌・最高経営責任者(CEO)は4月1日、メディアの取材に応じ、「私たちは決して値下げ合戦には加わらない」と明言した。李氏は、同社は粗利益率が低いため価格競争に参加することはできないとした上で、むやみな値下げは自動車業界に過当競争を引き起こすと指摘した。
米EV大手テスラは23年1月初旬、中国で小型セダン「モデル3」と多目的スポーツ車(SUV)「モデルY」の販売価格を引き下げた。値下げ幅は、モデル3で最大3万6000元(約69万円)、モデルYで最大2万9000元(約55万円)だった。その後、多くの中国EVメーカーがテスラに追随し、販売価格を引き下げた。3月に入ると値下げの波はガソリン車市場にも波及。これまでに40社以上の自動車メーカーが値下げを実施したという。
李氏は、比亜迪(BYD)など中国メーカーのEVに比べ、モデル3とモデルYは機能や装備が単純だと指摘。テスラが値下げに踏み切ったのは、中国市場での激しい競争に対処するための手段だとの認識を示した。また、テスラに中国市場での価格決定権があるわけではないとし、「テスラが米国市場で価格決定権を握っているのは60%以上のシェアを占めているからだ。中国市場でのシェアは7%程度にすぎない」と述べた。
NIOの22年の販売台数は前年比34%増の12万2000台に達したが、粗利益率は前年の18.9%から13.7%に低下している。
*23年4月3日のレート(1元=約19.2円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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