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サプライヤー関係管理(Supplier Relationship Management、SRM)システム「携客雲(Xiekeyun)」を手がける「携客互聯科技」がシリーズB+で数千万元(数億~十数億円)を調達した。出資は隠山資本(Hidden Hill Capital)が主導し、既存株主のスマートフォン大手小米科技(シャオミ)も参加。
従来のサプライヤー管理は実地での常駐やWord、Excel、電子メール、微信(WeChat)などを通じて行われ、まとめた情報を専任の担当者が統合基幹業務システム(ERP)に取り込み一元管理していた。そのプロセスは時間と手間に加え、多くの人手も必要とする。
市場では2015年以降にSRMのSaaSが生まれ、SRMとERPの分離が進むと共に、ユーザーが大企業から中小企業へと広がっていった。
携客雲は製造業者向けに特化したSRMシステムだ。原材料の取引管理において、調達、納品、決済、サプライヤー評価・管理ができる標準サービスは、製造業の主流業務システムの90%以上に接続しており、外部の電子署名、請求書管理、決済のプラットフォームとも連携している。
副資材の取引管理では、MRO(メンテナンス、リペア、オペレーション)調達取引プラットフォームをリリース、中国で主流の工業製品販売プラットフォームの多くと接続している。また、サプライチェーン・ファイナンスの分野では、フィンテック企業や金融商品との連携も進めている。
携客雲の顧客数は2年前の800社から2000社余りに増え、カバーする製造業の分野はエレクトロニクス、設備、新エネルギー、自動車部品、食品、家具、医療、医薬品、金属、プラスチック製品、アパレルなどに及ぶ。
顧客の規模は、年間生産高が2000億~3000億元(約3兆9000億~5兆8000億円)の上場企業から、5000万元(約9億7000万円)未満の中小企業までとさまざまで、10億元(約190億円)以下の企業が大半を占めている。携客雲は業界内のポジショニングとSaaSの事業モデルによって、標準的なサービスで幅広い顧客に対応できている。
創業者の張剣峰CEOによると、業界が違えば調達のーズやサプライヤーの管理手法は大きく異なるが、同じ業界なら企業の規模を問わずニーズと手法は似ているという。これを踏まえて携客雲は製造業に照準を定めて開発された。張CEOが製造業向けERPソフトウエアベンダーで勤務していた経験を生かし、大口顧客向けのカスタマイズサービスとしてスタートすることなく、最初から製造業者向けの標準アーキテクチャを構築。それから大手企業と中小企業に対応する中で改良を進めていった。こうして携客雲は製造業者向けのSRMソフトウエアで他社との差別化を図り、競争優位を確立している。
2022年の携客雲のSaaS売上高は数千万元(数億~十数億円)、顧客維持率は95%だった。従業員は130人で、うち研究開発担当が半分ほど、販売担当が約2割を占める。今後は製造業サプライチェーンの開拓を続け、応用シーンと顧客規模を拡大する計画だ。
(翻訳・大谷晶洋)
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