米フォード、中国で1300人規模の人員削減 競争激化の中国自動車市場

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米自動車大手フォード・モーターの中国法人「フォード・チャイナ(Ford China)」がこのほど、1300人規模の人員削減を開始したことが分かった。中国メディア各社が報じた。

フォード・チャイナは報道を受け、「中国はフォードにとって極めて重要な市場だ。中国事業の持続可能な発展をこれまでと変わらず推進する」とした上で、「当社はスリムかつ柔軟な組織構築を進めるため、より競争力のある中核事業にリソースを振り向ける」 との考えを示した。

今回の人員削減には、フォードの中国販売台数が落ち込み、米本社が中国市場への投資戦略を調整したことが関係しているとみられる。

フォードの2022年の中国販売台数は前年比33.5%減の49万6000台、うち高級車ブランド「リンカーン」の販売台数は13.4%減の7万9300台。中国市場でのシェアは前年から0.3ポイント下落し、わずか2.1%にとどまった。EBIT(利払い・税引き前損益)は5億7200万ドル(約780億円)の赤字だった。

同社の23年1~3月期の中国販売台数は明らかになっていない。しかし、中国自動車大手、長安汽車(Changan Automobile)との合弁会社「長安福特汽車(Changan Ford Automobile)」の販売台数が前年同期比25.68%減の4万4800台に落ち込んでいることから、状況は推測できる。

フォードはこうした状況を背景に、中国市場への投資を縮小し、収益性を高めるための新たな計画を策定した。中国では今後、従来型の商用車と電気自動車(EV)の生産と輸出を強化する方針だという。

中国の自動車市場はここ数年で大きく変化した。とくにEV市場は飛躍的に成長し、世界最大の規模となった。これに伴い、中国では自動車業界の競争が激化し、業界再編が始まっている。

長安汽車の朱華栄会長は5月8日の決算説明会で、「世界の自動車市場の構図は変化しつつある。かつては欧州、米国、日本、ドイツ、韓国、そして中国のメーカーがシェアを分け合う形だったが、現在のEV市場では中国メーカーが大半のシェアを占めている」とした上で、EV市場の拡大に伴って中国の自動車業界の再編が加速していくとの見方を示した。朱氏は「現在事業を展開している6〜7割の自動車メーカーが、今後2〜3年以内に閉鎖や合併、またはEV生産への転換など事業方針の変更を余儀なくされるだろう」と述べた。

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*2023年5月17日のレート(1ドル=約137円)で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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