シェア自転車「ofo」創業者、米国でカフェ4店舗運営。中国では倒産で「ブラックリスト」も投資家は期待 

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かつて一世を風靡した中国のシェア自転車大手「ofo(小黄車)」が、2018年に事業を停止してからはや5年。その創業者である戴威氏が、米国で新たにカフェ事業を立ち上げたとのニュースがネットで話題になっている。皮肉なことに、話題の中心は新たなビジネスの内容ではなく、未返却のままとなっているofoのデポジットだ。

戴氏は1991年生まれの若手起業家で、中国のシェア自転車ブームを巻き起こした話題の人物だ。ofoは投資家たちから数十億ドル(数千億円)を集めたが、18年に資金が枯渇して事業を停止。シンボルカラーの黄色の自転車は中国各地の路上に積み上げられ、粗大ゴミの山に姿を変えた。

中国メディアによると、当時のユーザー1600万人以上が、現在もデポジットの返却を待っているという。ofoのデポジットは99元(約1940円)と199元(約3900円)の2種類だった。1人あたり99元で計算しても、同社が返却していないデポジットは15億元(約290億円)以上となる。

企業情報検索サイト「天眼查」によると、戴氏とofoの関連会社には、不動産購入や高級ホテルの宿泊など高額消費を制限する「限制消費令」が40件も出されている。

驚くことに、当の戴氏は22年2月、米ニューヨークでカフェチェーン「About Time Coffee」を開業し、すでに4店舗を展開しているという。看板商品は透明の缶に入ったタピオカミルクティーのコーヒー版「boba coffee」で、TikTokやInstagramで一気にトレンドとなった。

看板商品のタピオカ入りコーヒー

ofoを倒産させてしてしまったにもかかわらず、投資機関のIDGキャピタルや真格基金(Zhen Fund)などは起業家としての戴氏を信頼し、続々とAbout Timeに出資している。About Timeのマリアン・チェン(Marian Chen)最高経営責任者(CEO)によると、同社は評価額4000万ドル(約55億2000万円)を見込んでおり、すでに1000万ドル(約13億8000万円)余りの調達を完了したという。

経営破綻のシェアサイクル「ofo」、アリババ子会社が貸付金の返済求め提訴 総額約100億円

*2023年5月22日のレート(1ドル=約138円、1元=約19.6円)で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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