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中国電子商取引(EC)最大手のアリババグループは6月20日、会長兼最高経営責任者(CEO)の張勇(ダニエル・チャン)氏(写真:中央)が9月10日付で退任し、クラウドサービス事業の会長兼CEOとしてその発展に注力すると発表した。
後任の会長には現副会長の蔡崇信(ジョセフ・ツァイ)氏(写真:右)が、CEOには傘下の淘天集団の会長を務める呉永銘(エディー・ウー)氏(写真:左)が、それぞれ就任する。
今回退任を発表した張勇氏は、2007年にアリババに加わり、傘下のECプラットフォーム「淘宝網(タオバオ)」の最高財務責任者(CFO)を務めた後、COOに就任した。11年には、企業出店を中心とするECモール「天猫(Tmall)」の総裁に就任。在職中に立ち上げた中国最大規模のセールイベント「双11(ダブルイレブン=独身の日)」は、中国のEC史に残るマーケティングモデルとなった。19年には、馬雲(ジャック・マー)氏の後任として、アリババの会長兼CEOになった。
新会長となる蔡崇信氏は、アリババの創業期を支えた功労者の一人だ。米イェール大学で法学博士の学位を取得し、31歳の若さでスウェーデンの投資会社インベストールのアジア部門副総裁に就任した。年俸は70万ドル(約9900万円)に上ったという。1999年5月、蔡氏は初めて馬氏に出会い、そのカリスマ性と当時誕生したばかりだったアリババの将来性に魅了され、まだ社員わずか10人程度だった同社に加わった。創業初期にはCFOを務め、同社が2014年にニューヨーク証券取引所に上場した際には主導的な役割を果たした。
アリババは今年3月、持ち株会社制に移行し、組織を6つの事業グループに分割・再編すると発表した。将来的には、条件が整った事業グループや事業会社から、それぞれ資金調達や新規株式公開(IPO)を実施する可能性があるという。
5月には、クラウド事業のほか、物流事業の「菜鳥網絡(Cainiao Smart Logistics)」と生鮮スーパー事業「盒馬(Freshippo)」が、IPO(新規株式公開)に向けた手続きや検討をし、国際デジタルコマース事業が外部からの資金調達を開始すると発表した。また、新たに分割した6つの事業グループが、正式に取締役会を設置したことも明らかにした。
*2023年6月21日のレート(1ドル=約142円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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