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中国広東省深圳市は2日までの4日間で開催された「2023国際デジタルエネルギー展」で「超急速充電シティー」の建設開始を発表した。超急速充電ステーションを3年間で300カ所立ち上げ、ガソリンスタンドとの比を1:1に引き上げ、2030年にはガソリンを入れる以上に便利な充電サービスを実現する。また、「全液冷式超急速充電実証ステーション」も初めて公開した。
充電ステーションに車を止めて充電を開始したら、隣のカフェでコーヒーを頼み、飲み終わった頃にはフル充電した車で出発できる――深圳初の全液冷式超急速充電実証ステーションは、新エネルギー車(NEV)での移動に新しい体験を提供する。
実証ステーションを共同建設した中国送電大手・南方電網傘下の深圳供電局の馮悦波新興産業部総経理によると、超急速充電とは、急速充電よりもさらに速い充電を指す。最大出力は600キロワット、最大電流は600アンペア、最速で「1秒1キロ」の充電が可能となる。
技術を提供した通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の技術専門家は「最新鋭の全液冷技術を採用、大出力での長時間の充電に伴う温度上昇の問題を効果的に解決し、より静かで安定した安全な充電環境を提供できるようになった」と語る。全液冷技術を用いた充電設備は放熱性が高く、急速な充電ができるだけでなく、従来の空冷技術を用いた設備より消耗品が少なく、信頼性が高く、耐用年数を20年に延長できる。また大量のファンで放熱する必要でないことから静かで、充電時の騒音が低いという。
中国では新エネ車産業の発展につれ、保有規模がますます増加している。公安部のデータでは、22年末時点の保有台数は1310万台。よりハイレベルでスピーディーな充電設備を高密度で構築することが必要不可欠になっている。
深圳には「超急速充電シティー」建設の良好な基盤がある。デジタルエネルギー展開幕式に出席した深圳市の覃偉中市長は、6月末時点で新エネ車保有台数は86万台と世界の都市の上位を誇り、新エネルギー・デジタルエネルギー企業は2万4千社を数えたとし、太陽光発電やリチウムイオンエネルギー貯蔵などの技術でも世界をリードする水準にあると述べた。
「深圳市新エネ車充電施設特別計画」によると、新エネ車保有台数は25年末までに130万台に達する見通しで、その規模に見合った充電インフラの整備が当然必要になる。同市は新エネ車の移動の特性に応じ、空港や高速鉄道駅、公園、大型デパート・スーパー、高速道路サービスエリアなどを重点に、需給の釣り合った、適度に前倒しした、先進的な技術に基づく超急速充電網の構築を進める。
充電ステーションの大量の建設に伴い、電力網のさらなる整備も必要となる。馮氏によると、深圳供電局は「充電・蓄電・放電統合ネットワーク」「バーチャルパワープラント(VPP)管理プラットフォーム」などの技術やプラットフォームの建設を通じ、手軽で快速な充電サービスを市民に提供、深圳の「超急速充電シティー」のネットワークづくりをサポートしていく。(新華社深圳)
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