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中国石油大手、中国石油化工集団(シノペック・グループ)傘下で山東省に位置する勝利油田は11日、「斉魯石化-勝利油田100万トン級二酸化炭素(CO2)回収・有効利用・貯留(CCUS)プロジェクト」で、国内初の高圧常温濃厚相CO2輸送パイプラインが正式に稼働したと明らかにした。これは中国で初めて濃厚相CO2のパイプラインによる長距離輸送が実現したことを意味し、中国のCCUS産業チェーンの大規模化を促進する上で重要な意義をもつ。
パイプラインの長さは109キロメートル。シノペック・グループ傘下で石油精製・石油化学事業を行う山東省の斉魯石化が石油の生産過程で排出・回収するCO2を、勝利油田に年間170万トン輸送し、地下の油層に貯留することが可能で、中国の大規模なCO2のパイプライン輸送の模範になるとみられる。CO2のパイプライン輸送はその規模やコスト、社会的便益の面で大きな優位性があり、陸上での大規模で長距離、低コストのCO2輸送を実現する上で最初の選択肢となっている。
斉魯石化-勝利油田のCCUSプロジェクトは2022年8月の稼働開始以来、主にタンクローリーを使ってCO2を輸送してきた。パイプライン開通後はタンク車による輸送を年間4万回減らすことができ、燃料としての天然ガス使用量を標準状態で200万立方メートル、輸送中のCO2排出量を4千トン削減することが可能になる。
このプロジェクトは中国最大級のCCUS全体を網羅する産業チェーン実証拠点であり、国内初の100万トン級CCUSプロジェクトでもある。対象となる油田の地質学的石油埋蔵量は2500万トンに上り、15年で累計千万トン余りのCO2を油層に注入することで、原油の採掘量が300万トン近く増え、採収率が12%以上高まる見通し。CO2の貯蔵能力は年間100万トンクラスに上り、削減効果は約900万本の植樹、大衆車60万台弱の1年間にわたる使用中止に相当する。(新華社済南)
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