中国の自転車輸出、単価20%超上昇 スマート化などが後押し

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中国製自転車の平均輸出価格は2022年、前年から20%以上上昇し、1台当たり90ドル(1ドル=約142円)に迫った。中国自転車協会の郭文玉(かく・ぶんぎょく)秘書長は同協会が発表したこの統計データについて、「世界市場の70%以上のシェアを誇る自転車生産・販売大国にとって目覚しい上昇幅だ」とし、自転車のスマート化、高級化、グローバル化の流れが価格を押し上げているとの見解を示した。
 
自転車メーカーの金輪集団は、スマート調整機能付きの電動アシスト自転車を目玉に打ち出す。乗り手はアプリで近くの愛好者を探し、チャットをしたり、一緒にサイクリングをしたり、バーチャルサーキットで競争したりできる。車載センサーでは乗り手の体調をリアルタイムでモニタリング。車両が壊れた際には遠隔修理にも対応している。李珍昆最高マーケティング責任者(CMO)は「新たに開発したスマート自転車には人工知能(AI)技術を内蔵した」と語る。持ち主の乗り方や道路状況をAIで判断し、モーターの出力や変速機の切り替えを自動調節、乗り手の労力を減らし、航続距離を伸ばすことができるという。
 
また優貝(天津)自行車は、ペダルなしでキックバイク、ペダルをつけて普通の自転車として使える高級子供用自転車がヒットし、すでに20万台超を輸出している。海外の電子商取引(EC)サイトでは1台200ドル以上で売られている。
 
自転車ポータルサイト「美騎網」が発表した「2022年中国自転車産業調査報告書」によると、中国の自転車輸出は付加価値の低い製品の輸出が減少している一方、マウンテンバイクや競技用自転車などの輸出は増加の一途をたどっている。インドネシア、韓国、日本、米国などが高級モデルの主要販売市場になっている。
 
中国の自転車メーカーの海外進出は、当初の車両の輸出から、現地への工場設立、現地での研究開発へと広がっている。金輪集団は2000年から海外市場開拓に乗り出し、120以上の国・地域に販路を拡大。16年からは海外に工場を構え、中国を本拠地とした上で、チェコで組み立て、米国、英国、日本に支社を設立するなどのグローバルな展開を進めている。今年3月にはドイツ・フランクフルトに研究開発・販売センターを設立。欧米の高級品市場をターゲットに、モノのインターネット(IoT)技術の自転車への応用を開発の重点とする。楊玉峰総経理は、自転車の製造やスマート技術の自動車への応用で中国は世界市場でも広く認められているとし、「新エネルギーや新素材などの技術のより大規模な利用に伴い、自動車業界もより多くの変革を迎える見通しで、中国企業はこの流れをリードするために取り組んでいる」と語った。(新華社天津)

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