【日本進出特集】より自然で性格があり賢い。あなた専属のAIアシスタントを開発する「Mindverse」

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【日本進出特集】より自然で性格があり賢い。あなた専属のAIアシスタントを開発する「Mindverse」

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Officeのヘルプアシスタントで出てきたクリップのキャラクター「クリッピー」と言うと、随分懐かしく感じるかもしれない。あのクリッピーが近年パワーアップして復活し、機械的でなく、より自然な感じで聞きたいことに答えてくれるようになった。クリッピーに“命”を吹き込んだのが、今回紹介する「Mindverse(心識宇宙)」という中国のスタートアップ企業であり、同社の製品「MindOS」だ。

MindOSはクリッピーだけでなく、中国のバーチャルヒューマンにも導入され、より自然な会話を実現した。このMindOSという名前ではあるが、システムではなくサービスプラットフォームの名称でなので後述するがWEBで気軽に利用できる。

MindverseとMindOSについて理解するため、MindOSが搭載された家具屋のWEBサイトを例に出す。ログインすると、文字でアシスタントは何が欲しいかを聞いてくる。そこで顧客は「ベッドルームをリフォームしたい」と書くと、これまでの顧客の店舗の利用傾向から価格面や材質面に合ったベッドルーム向けの家具をいくつか提案する。「それぞれの提案の違いはなんですか」と聞くとちゃんとした文章で回答してくる。「このベッドに合う家具はありますか?」と聞くと、それに合わせた商品と価格をリンク付きで紹介し、それに選んだ理由まで説明してくる。過去のユーザーが利用した傾向に基づいて、コンシェルジュのようにAIが文章を紡ぎ提案してくれる。こうした活用ができることから、自社ECサイトでMindOSを導入する日本企業もある。

Mindverseのビジネス開発責任者の盧天夫氏は、「MindOSではユーザの好みに応じて人格と意思を持ったキャラづくりができます」と紹介する。「たとえば、ドラゴンボールの孫悟空が言いそうな応答を自動でできるようにしたい。そこで孫悟空のデータを学習させて、システムが孫悟空の性格や思考傾向を理解します。そうしてできた孫悟空をデスクトップアシスタントとして利用することができるわけです。同様にフィットネストレーナーや栄養士でも、言動を読み込ませて学習させれば、いかにもフィットネストレーナーのような、あるいは栄養士のような考え方でアドバイスをするキャラクターができあがります」。

自動で応答する対話AIが個性と専門性をもち、ユーザの行動履歴から的確なアドバイスを与えるMindOSは、「業界または分野の知識と能力を獲得し、ワークフローやタスクがどのように達成されるかを理解できる」「変化する状況やニーズに応じて反復学習する」「外部の世界からのフィードバックを受け取り、自身の行動パターンを調整できる」という他のAIにない特徴を持つ。

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ChatGPTに似ているようだが、カスタマイズできることでそれ以上のメリットがある。例えば、同社はGPT上にエコシステムを構築し、「3分で独自のAIエージェントを作成する」、「ワークフロー機能でオリジナルコードの敷居を劇的に下げられる」といった特徴がある。ネットサービスにどれだけ精通しているかを問わず、誰にでも迅速にベストの回答や結果を得ることができて、人と話すようにAIと自然な会話を何度も行うことによりユーザー自身がニーズに気づくことができる。そしてベストな回答が行われる環境の導入により、ユーザーは意思決定と価値の創造に集中できるようになる。

同社はこれまでtoB(企業向け)のビジネスで経験を蓄積してきたが、そのノウハウを武器に、今後toC(個人向け)ビジネスに注力していく方針だ。今年7月には、世界最大のプロダクトのキュレーションサイトの「Product Hunt」でMindOSの最新バージョンが発表され、SaaS(Software as a Service)、Productivity(生産性)とAI(人工知能)の領域で首位に選ばれるなど高い評価を得た。中でも、「Industry Analyst」というAIエージェントは、ワンクリックで業界レポートやHTMLデータを生成することができるため、AIに学習させる手間が省略できて、専門的な場面での作業効率を高めることが期待される。

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Mindverseは日本市場に大きな期待を寄せているそうだ。日本は無数のゲームやアニメの個性あるキャラクターが生み出された。そのキャラクターIPの二次活用も、キャラクターとのAIによる対話の実現を目指したいという。

盧氏は「海外の個人ユーザーに対して、すでにMindOSを一般公開しました。多くの人にお届けしたいという思いがあります。例えばデベロッパーフォーラムを用意して、ユーザーが情報交換し、様々なクリエイティブな作品を作ってもらいたいと思っています」と説明した。

※36Kr Japanでは、日本進出に意欲の高い中国スタートアップ企業にクローズアップしています。この度、独自に募集した日本市場に関心ある100社近くの企業の中から、注目すべきスタートアップを厳選し、今年5月にオンラインにてピッチイベントを開催しました。

今回の特集で紹介する企業は、日本のパートナーとの積極的な連携を望んでいます。今後、日中間のオープンイノベーションや日中協業の促進のため、36Kr Japanは継続的にイベントを行いますので、ぜひご注目ください。

(作者:山谷剛史)

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