東南アジア市場を争奪する中国自動車、吉利汽車がマレーシアで約1兆4000億円投資へ

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中国の自動車メーカーが東南アジア市場への進出を加速させている。マレーシア国営ベルナマ通信社によると、吉利汽車(Geely Automobile)はマレーシアのペラ州タンジュン・マリムを地域最大の自動車産業の都市とするために、100億ドル(約1兆4000億円)を投資する計画だという。

吉利汽車は2017年、マレーシアの国民的自動車メーカー「プロトン・ホールディングス(Proton Holdings Berhad)」の株式49.9%を取得。年間20億ドル(約2800億円)近い赤字を計上していたプロトンを、ここ3年連続で黒字を計上するまでに回復させた。タンジュン・マリムにはプロトンの工場がある。

東南アジアの自動車市場は現在、トヨタ自動車などの日本企業と、現代自動車やその傘下の「起亜自動車(Kia Motors)」などの韓国企業に占められており、中国企業のシェアはわずかだ。しかし、市場調査会社「Canalys」は、中国企業のシェアが22年の2.6%から25年には12.8%へと急増するとの予測を示している。

現在のところ、東南アジアの新エネルギー車(NEV)普及率は先進国よりも低いが、タイやベトナムなどは新エネルギー産業への支援政策を相次いで導入し、インフラを強化している。加えて、東南アジア諸国連合(ASEAN)が参加する中国ASEAN自由貿易地域(ACFTA)や地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の成立も追い風となり、中国製自動車、とくにNEVの普及率が高まるとみられる。

中国電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)は22年9月、タイに年産15万台のEV組立工場を建設し、24年の操業開始を目指すと発表した。今年5月にはベトナムでのEV生産も計画していると報じられた。また、上海汽車集団(SAIC)はタイやベトナムに、長城汽車(Great Wall Motor)もタイに工場を建設し、すでに生産を開始している。

中国EVメーカーの相次ぐタイ進出、「東洋のデトロイト」で狙うことは

*2023年7月24日のレート(1ドル=141円)で計算しています。 

(36Kr Japan編集部)

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