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ChatGPTの登場により、2023年前半には新たなAIブームが巻き起こった。国内外のテックジャイアントはいち早く大規模言語モデル(LLM)の開発競争に乗り出し、AI生成コンテンツ(AIGC)は一般人にも身近になった。米エヌビディア(NVIDIA)は、AI演算用の半導体の需要急増により時価総額が1兆ドル(約140兆円)を突破した。
生成AIを開発するスタートアップ企業も資金調達ブームに沸いている。その代表格である米OpenAIはシリーズB+で103億ドル(約1兆4600億円)を調達、2023年上半期の生成AI分野の資金調達額で一躍トップに躍り出た。
M&A(合併・買収)も盛んに行われている。データ・AIサービスを提供する米データブリックス(Databricks)は、6月26日に独自のLLMを開発するスタートアップ企業モザイクML(MosaicML)を13億ドル(約1840億円)で買収し、生成AI分野の買収としては今年の最高額となった。
中国テックメディア智東西がまとめたところによると、今年1月〜6月だけでも生成AIモデルやそのアプリケーション開発に関わる企業の資金調達が51件あり、総調達額は1000億元(約2兆円)を超えたという。そのうち1億元(20億円)以上を調達した案件が18件あった。
データ調査会社PitchBookのデータでは、2022年に生成AI分野で78件の資金調達が行われ、総調達額は13億7000万ドル(約1900億円)だった。つまり23年上半期に調達した資金だけで、昨年1年間の総調達額の10倍以上に達したことになる。
生成AI関連の資金調達、中国が最多
2023年1~6月に世界中で実施された生成AI関連の資金調達のうち、中国が22件で最多となり、米国が21件、英国が4件と続いた。ただ1億元(約20億円)を超える資金調達では、12件が米国に集中し、中国はそれに次いで3件だった。
中国国内に目を向けると、資金調達に成功した中国企業は主に北京市と浙江省の2カ所に集中しており、北京市の企業が14社に上っている。北京市でAI研究が盛んに行われていることが関係していると思われる。
企業の設立時期を見ると、2022年設立が16社と最も多く、次いで21年設立が11社だった。この分布は生成AI分野の起業ブームやスタートアップの成長サイクルとも合致する。多くの企業が1~2年で関連製品や具体的な成果を生み出し、生成AIの実用化へと進んでいるからだ。
また出資を獲得した企業の多くがシードステージやアーリーステージなど、初期段階にあることも分かった。うちシードラウンドが最も多い12件で、シリーズAが9件、エンジェルラウンドが7件だった。
現在、大企業や投資機関のほぼ全てがAI分野に注目している。中国ではIT御三家のバイドゥ(百度)、アリババ、テンセントも今年上半期、一斉に行動を起こした。テンセントはわずか半月の間にAIスタートアップ「DeepLang AI(深言科技)」「光年之外」「MiniMax」の3社に出資。バイドゥは「西湖心辰(Westlake Xinchen)」「生数科技(Shengshu-ai)」に、アリババも傘下のアントグループを通じて生数科技に出資した。
https://36kr.jp/240115/
作者:智東西(WeChat公式ID:zhidxcom)、徐珊
(翻訳・畠中裕子)
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