スマートロボットの中国ユニコーン「CloudMinds」が200億円調達、「RobotGPT」コンセプトを導入

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スマートロボットの中国ユニコーン「CloudMinds」が200億円調達、「RobotGPT」コンセプトを導入

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スマートロボットの開発を手がける中国ユニコーン企業「達闥機器人(Dataa Robotics、海外名称:CloudMinds)」(以下CloudMinds)が、シリーズCで10億元(約200億円)を調達した。政府系投資機関の知識城集団(KCI Group)や上海国盛集団などが出資を主導。同社は年内に香港で上場する可能性もあるという。

2015年に設立されたCloudMindsは上海市に本社を置き、支社が北京市、広東省深圳市、珠海市、四川省成都市、安徽省合肥市などにある。主要製品はクラウド型スマートロボット開発プラットフォームや「Cloud Ginger」に代表される人型サービスロボットと配送、パトロール、清掃、自動販売などを行う多機能ロボットで、主にホテル、学校、スーパーマーケット、工業団地で使われている。

2022年に開催されたゲーム開発者向けイベントGlobal Developers Conference(GDC)で、同社は「HARIX OS(海睿オペレーティングシステム)」を発表した。HARIX OSのアーキテクチャにはHARIX RDK(ロボット開発キット)、クラウド・ネットワーク・デバイス統合モデル、汎用人工知能(AGI)プラットフォーム、ロボット用スマート関節が含まれている。

HARIX RDKは、クラウド型ロボット・オープンプラットフォームと開発ツールをユーザーに提供している。このツールにはブループリント・エディター、アクション&ダンス・エディター、マッピングツールなどが含まれ、スマートロボットのシミュレーション、実験、トレーニングが可能だ。ユーザーは公式サイトからドキュメント、RDK、3Dマップをダウンロードでき、他のユーザーと交流することもできる。

汎用人工知能プラットフォームは、機械知能を強化するクラウド上のブレインとして機能する。CloudMindsと中山大学が共同開発したこのプラットフォームは複数のAIモデルを組み合わせることが可能で、音声認識やスマートビジョンなどさまざまな種類のデータに対応しており、ロボットの深層学習に活用できる。

創業者の黄暁慶CEOは今年の発表会で「RobotGPT」のコンセプトを明らかにした。RobotGPTは、複雑な使用シーンでさまざまな動きをするロボットの相互作用を可能とする生成AIだ。これによってクラウド上のブレインにつながるロボットは、人為的なフィードバックによる強化学習を通じて学習能力を継続的に向上させ、人間のような対話と交流ができるようになるほか、接客、案内、パトロール、看護・介護、人との協働作業などの仕事も担えるようになる。スマートシティやスマート農業、スマート療養、スマート工場、スマート教育などでの活用が期待される。

画像:達闥機器人

スマートサービスロボット業界は、新たな使用シーンを増やしながら市場規模を拡大している。中商産業研究院のデータによると、中国サービスロボットの市場規模は2022年に65億ドル(約9400億円)に上ったとみられ、特に教育や公共サービスなどの需要が大きかったという。今年は83億ドル(約1兆2000億円)に拡大する見込みだ。

CloudMindsはこれまでにシリーズA、B、B+でいずれも1億ドル(約145億円)以上を調達しており、ソフトバンク・ビジョン・ファンドやSBチャイナベンチャーキャピタルなども出資している。2019年7月には米国上場を試みたものの、上場はかなわなかった。

(翻訳・大谷晶洋)

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