OPPOがインド向けブランド「realme」を本国へ召還 1000元台スマホ市場で勝負か

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中国スマートフォン(スマホ)大手「OPPO」系列の独立ブランド「realme」は9月24日、スマホ新機種「X2」をリリースした。ただ、残念なことにシャオミ(小米科技)の主力製品となる「Mi MIX」新機種発表会と重なり、会場はそれほど盛り上がらなかった。

この1カ月前に、シャオミのサブブランド「Redmi(紅米)」が新型スマホ「Note 8 Pro」を発表しており、先を越される形となったrealmeによるX2のリリースは、若干遅かった感が否めない。

Note 8 Proと同じく、X2は最先端の完成されたスペックを持つ。画面占有率91.9%のサムスン製AMOLEDディスプレイ、指紋認証機能、クアルコムのモバイルSoC「Snapdragon 730G」、サムスン製6400万画素クアッドカメラ、4000mAhバッテリーが搭載されている。インパクトはないが、欠点も見当たらないスタンダードモデルだ。

電子商取引が低迷しているため、新興ブランドのrealmeは発信力が小さいものの、既存ブランドをおびやかす力はある。

価格設定でrealmeはRedmiを意識してきた。オンライン販売される「realme Q」はNote 8より1元(約15円)安く、今回リリースされたX2はNote 8 Proを100元(約1500円)上回る。スペックをみても両製品はほとんど同じだ。

realmeはOPPOの補完的存在として必要なブランドだ。今年に入ってOV(OPPOと中国スマホ大手「vivo」)は、1000元台(約1万5000円~)のスマホ市場を一層重視するようになった。ミドルレンジ市場の競争が過熱し、街頭広告に頼った実店舗販売という手法に綻びが出始めたことで、オンライン市場に注力せざるを得なくなった背景がある。

誰もがシャオミのオンライン販売基盤に注目するなか、サブブランド「IQOO」を立ち上げたvivoやシャオミと異なり、OPPOが選んだのはインド市場向けブランドのrealmeを本国へ戻すことだった。IQOOと比べてrealmeにはOPPOの威光が小さいため、局面をすぐに打開するのは難しいが、これが却って自主性と独立性につながり、低収益を気にせずRedmiのシェアを奪いに行ける。

realmeブランドは立ち上げからわずか1年半ほどにも関わらず、ユーザーが1000万人を超え、出荷台数が世界トップ10に入るなど突出した実績を残している。すでに飽和状態のスマホ市場でrealmeがRedmiから少しでもシェアを奪えば、Redmiにプレッシャーを与えることができる。

中国の1000元台スマホ市場は、縮小しながらも競争が激化している。ミドル~ハイエンド市場でファーウェイ(華為技術)の寡占状態がさらに進めば、競争が最も激しい市場となるだろう。
(翻訳・神戸三四郎)

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