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米電気自動車(EV)大手のテスラに続き、中国のEVメーカー「小鵬汽車(Xpeng Motors)」も人型ロボットを発表した。小鵬汽車は10月24日に開いた技術発表会で、自社開発の人型ロボット「PX5」を披露した。PX5は身長が1.5メートル、全身が銀白色で「鉄腕アトム」のようなイメージだ。
デモンストレーションによると、耐衝撃性を有するPX5は蹴られてもよろけることなく立ち、砂利や柔らかい芝生の上を歩いても体勢を崩さない。サッカーボールを蹴ったり、バランススクーターに乗ったりもできる。
小鵬汽車の何小鵬会長によると、PX5は今のところ身長が1.5メートルだが、将来的には背を伸ばして歩行スピードを上げ、負荷のかかる状態で10キロ、転ばずに100キロの歩行を目指している。
同社はロボットの胴体だけでなく、部品も開発している。部品は人型ロボットが性能を発揮するうえで重要なだけでなく、コスト削減のカギとなる。同社は高性能の関節機構を独自開発し、安定性の高い歩行を実現した。PX5はすでに屋内外で2時間以上の歩行と障害物回避ができるという。
器用なロボットハンドは人型ロボットの中でも高い技術を要するため、人型ロボットの新興メーカーはロボットハンドの自社開発に慎重で、サプライヤーに頼る傾向にある。
小鵬汽車はロボットハンドと超軽量ロボットアームを同時に開発した。ロボットハンドは11自由度で本体重量はわずか430グラム、2本の指で1キロの物をつまみ上げることができる。同社の超軽量ロボットアームは7自由度で、0.05ミリの位置決め精度を実現し、最大可搬重量は3キロ、本体重量は5キロに上る。
PX5はロボットハンドとロボットアームを組み合わせることで、ドライバーを握って作業することができる。また、箱を持ち上げる、ペンをつかむ、ティッシュを取り出すといった動作のほか、コップを持ってそれに水を注ぐこともできる。こうした動作はいずれも力の制御、センシング、柔軟性に高いレベルが求められ、ロボットに触覚を持たせる必要がある。
何会長は、来年の技術発表会を開催する頃には、同社の二足歩行ロボットが工場での巡回検査や小鵬汽車販売店での製品紹介などを担うようになってほしいと考えている。
実際には現時点で人型ロボットの活用シーンは明確になっていない。二足歩行の人型ロボットを店舗で人とコミュニケーションさせるのはそれほど難しくなく、サービスロボットに大規模言語モデル(LLM)を搭載すれば、それなりの対応ができるようになる。本当に難しいのは工場での活用だ。外部と接触の少ない工場の方が導入はしやすいが、どのような作業を人型ロボットが代替できるのか、どのようなシーンなら産業用ロボットよりコストが低くなるのかについて、まだ検討が必要だという。
(翻訳・大谷晶洋)
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