モバイルワーク、目の前に広がる大型ディスプレイで。中国「INAIR」が業界初の仕事用ARグラスを発売

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中国の拡張現実(AR)デバイスブランド「INAIR」がモバイルワークの需要に応え、業界初の仕事用ARグラス「INAIR Pro」を3999元(約8万円)で発売した。

市場調査会社IDCによると、2023年の世界のARデバイス出荷台数は前年比約11%増の30万台に上り、23~26年の年平均成長率は約137%となる見込みだ。このデータはARデバイスが急速に普及していく可能性を示している。

INAIRは2022年に設立された。共同創業者の黄海CEOは清華大学を卒業し、クロスリアリティ(XR)分野の産学官連携で10年近い経験を有する。同氏は、技術の進歩に伴ってARグラスが幅広い消費者に受け入れられていくと考えており、業界ではさまざまな使用シーンに対応したXRのハードウエア、ソフトウエア、サービスが求められているという。

画像:INAIR

INAIR Proはモバイルワークでの使用を想定してハードウエアを最適化し、長時間の装着を可能にした。「ネックバンド型の本体+メガネ」というスタイルで、ユーザーは目の前に広がる大型ディスプレイで好きな時に仕事ができる。ネックバンドは形状やバッテリーのデザインが工夫されているため、ほとんど装着感が無い。メガネは重量わずか80グラムと、一般的なサングラスのようで、ユーザーはメガネケースを持つだけで出張に行ける。

画像:INAIR

ハードウエアの性能面では、クアルコムSnapdragon 8のプロセッサと8Gのメモリーを搭載し、マルチスレッドな処理能力を提供すると同時にスムーズでラグの無い使用体験を実現した。ディスプレイはマイクロOLEDで、現在最も成熟している光学ソリューションのBirdbath(バードバース)を採用、FOV(視野角)が51度と大きく、グラスを通して6メートル先に225インチ相当の画面を表示する。

画像出典:INAIR

INAIR Proでは複数のアプリを開き、動画や文書に合わせてウィンドウサイズを調整できる。また「頭の動き」によってウィンドウを切り替えられるほか、スマホをコントローラーにしてテキスト入力やクリックも可能だ。

画像:INAIR

電車や飛行機の利用時に、Bluetoothキーボードとスマホコントロールカーソルを使えば、パワーポイントの作成や簡単な動画編集などの作業を座席で進められる。会社や自宅のパソコンに直接接続し、仮想空間(VR)でマルチモニターをカスタマイズすることもできる。

将来的にXRグラスは、人工知能(AI)の力を最も発揮できるデバイスの1つになるだろう。INAIR Proは百度(バイドゥ)の対話型AI「文心一言(ERNIE Bot)」をシステムに統合しており、ユーザーはAIアシスタントを利用して作業効率を上げられる。

INAIRにとって最初の製品は企業向け市場に焦点を当てており、標準ハードウエアと業務効率化ツールの融合をさらに進めようとしている。黄CEOは、INAIR Proがモバイルワーク用製品の最終形とは言えないが、ユーザーのニーズに焦点を当ててハードウエアとソフトウエアを改善していけば、ユーザーがもっと驚く製品を生み出せるとの考えを示した。

*2024年1月14日のレート(1元=20円)で計算しています。

(翻訳・大谷晶洋)

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